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第四話 くらしの中で

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その四


世の中も変わった。手近に使えるネットワークにより、独居も孤独の同義語ではなくなった。遠くに離れていても、顔を知らなくても繋がる心と心。

人は心で生きていることを実感できるのだ。
最近はスマホでラインを繋いで話す人が増えている。
四苦八苦してホームページを作っていたのもひと昔前のこと、今は簡単に作れるブログに成り代わった。

ラインの一言の声掛けで元気をもらうこともできる。
前述で記した亡くなった友もその鎖の中に居て、私の強い支えとなっていた。昔なら考えられないことだが、見えない相手に涙が流せる世の中になったということだ。

涙がまだ途切れぬ間にラインで声掛けをしてくれる鎖が又一つ増えた。

おはようございますという朝のメールはうれしい。わざわざ足を運ばなくてもラインで問えば答えを返してくれる知人もいる。

夜が来ても寂しくない。
誰かに慰められるのではなく、自分の手が打つ文字の中に心をつぎ込めるからだ。
四方八方からの支えがあって、もしかして自分も誰かの支えになっているかもしれない・・



 完
作品名:第四話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子