第四話 くらしの中で
その10
最近は簡単にブログを作ることができるようになった。
私のブログの一つに、amebaで書いている「合歓の花」という詩のブログがあるが、アメーバは一番最初に手掛けたブログだ。
それまで盛んだった様々なメーリングリストはどんな仕組みになっていたのかよく覚えていないが、たしかにメーリングリストの中で皆と会話をしていた。
次々と現れては消えるメーリングリストの中で、今も記憶に残っているのはほんの一部。
一番先に登録したメーリングリストは町の若い人達が作ったもので、中には私だけが顔を知っている会員もいたが、私はその人の店に買い物に行っても素性を明かすことはなかった。
若い人の会と知ってから私は積極的には書き込みをしなかったが、you tubeに城山までの動画を作ったときには興味がある人達からは褒めてもらった。
メーリングリストの他に「ホームぺージ」が主流となっていたが、とても難しいので作れないと思っていた所、無料のホームぺージ作成サイト「ジオシティーズ」でホームぺージが作れることを知り、指導本を購入してつくることにした。
*ジオシティーズは数年前に閉鎖されたが、Yahooのサービスとして存在していた。
指導書と同時に、ジオシティーズには各ブロックに割り当てられたアドバイザーがいた。個人的に指導してもらえる人が付いている制度だ。
私のアドバイザーは実に親切で、仕事先から帰宅してかなり遅い時刻でも質問の返事を書き、チャットのように何度も応答して問題を解決していただいた。
当時ホームぺージビルダーというソフトでホームぺージを作るのが常道だったが、私はジオシティーズ専用の指導書に書かれている「タグ」という奇妙な文字をそのままページに書きこんだ。タグを書くと表のページに写真がアップされたときは感動したものだ。
その頃のわが家の状況はどうだったかというと、相棒と同じリビングで過ごし、時々喚かれる恐怖感に怯えながら、パソコンの中での楽しい世界を味わっていたのだった。
完
続編に続きます。
作品名:第四話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子