第四話 くらしの中で
可笑しな関係 その一
従来のコロナ株に続いて新型コロナ・オミクロン株の蔓延が凄まじい昨今である。電話やメールで話す親しい友人とはもうかなりの期間顔を合わせていない。
収まったら会おうねとの合言葉のような挨拶をして終る。
ところがだ―。
極近場に住んでいるわずかな人とは行き来ができる。
何事かあったときそれを言いたくて開いている門に入って話したり、亦そこら辺りを散歩して声を掛けることもある。
私にとっては遠くの娘が毎日のようにメールをくれるより、顔を見て話せる人が傍にいることがさしむき必要な気がする。
まさに「遠くの・・より近くの・・」というところだ。
作品名:第四話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子