取調室 証言
〇 同 愛梨の回想 玄関前
沙智が帰って来、玄関前にいる。
沙智、鍵を取り出し、開ける。
沙智、玄関ドアを開く。
中から聞こえる悲鳴と威嚇する友哉の声。
沙智、急いで、中に入る。
〇 沙智のアパート 居間
愛梨が濡れた床の上に、愛梨の体に跨って暴行を働いている友哉。
沙智「友哉!離れろ。愛梨に何してんだよ!」
暴行を辞めない友哉。
愛梨「助けて、お姉ちゃん!」
沙智、先ほど友哉が座っていた、椅子を持ち上げ、友哉の頭、背中に振り下ろす。
友哉「いてぇ!」
友哉、振り向く。沙智、再び椅子を持ち上げ友哉の背中に振りかざす。
動きが止まった友哉。友哉、沙智の方を振りかえり
友哉「やりやがったな沙智!」
友哉、よろめきながらゆっくり立ち上がり沙智を睨みつける。
友哉、沙智を掴み、冷蔵庫の扉へ背中を打ち付ける。
友哉「こいつが、こいつの方が俺を誘ったんだ。俺の事がすきだってな」
沙智「(打たれながら)馬鹿言ってんじゃないよ。だれがお前なんか好きになるかよ。身の程知らずめ」
愛梨、座りながら少しづつ後退りしていく。
沙智の上半身が冷蔵庫に打ち付けられているので、冷蔵庫上の漬物樽がぐらぐら揺れてくる。
友哉、沙智を床に押し倒し、跨り、両頬を殴る。
沙智、床に落ちていた花瓶の破片を掴み友哉の顔面へ殴りつける。
沙智、右足を動かし、顔面を抑えている友哉の顔を足で思い切り蹴とばす。
友哉、上半身を起こす。ゆっくりと立ち上がると、顔が血だらけだが、椅子を掴み
床に横たわっている沙智めがけて持ち上げる。
沙智、上半身を起こし、友哉めがけて体を突進し、胸元あたりに体をぶつける。
友哉、上体をよろめきながら冷蔵庫にぶつけ、座り込む。
振動ではみ出た漬物樽が友哉の体の脇に落ちる。
項垂れている友哉は気付かない。
沙智も疲れて床に座り、動けない。
愛梨、ゆっくり立ち上がり、漬物樽から漬物石を持ちあげる。
沙智、疲れ気味がら眼を少し開け見ている。
愛梨、頭上に漬物石を持ち上げ、手を離す。
愛梨「死ね、変態野郎!」
スローモーションで落ちていく漬物用重石。
友哉に当たる寸前にストップモーション。(回想終了)
〇 同 居間
食卓テーブルには新しく購入した花瓶と花。
《おわり》