倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」21/岐阜、一宮
注文したメニューを待つ間、三重県の津市に夕方5時半頃に到着するために、途中の一宮市に本当に立ち寄るかどうかの検討です。
私の当初スケジュールでは岐阜駅から名古屋駅を経由して津駅まで行く途中に尾張一宮駅に下車するかどうか、その時の状況次第と思っていました。
お店で検討した限りでは、一宮市では滞在時間を1時間ほど取れそうではありましたが、それよりもう少し岐阜市内に留まるか迷いました。
本当は岐阜県庁も見てみたかったので、県庁まで行く時間を取るかどうか迷ったのです。
ただ岐阜市街地図を見ると駅の反対側から結構な距離があったので県庁行きは諦めて、少し岐阜市に未練を残しながら、あの信長の金ピカ像を横目に岐阜駅に戻りました。
一宮市は人口が約38万人となっていて、岐阜市に並ぶような人口なので私にとって看過できません。東海道本線の通過駅でもあり移動時間も10分くらいだったので結局立ち寄ることにしました。
◆一宮市【人口 約38万人】
名古屋市大都市圏には数多くの市があり、人口30万人以上の都市もいくつかあります。3年前に名古屋市から静岡県方面へ行った際には豊田市・岡崎市・豊橋市のうち岡崎市にはとうとう寄りませんでした。
今回、岐阜市に行くついでだったのですが、短時間ながらも一宮市に立ち寄ることにしたのは、名古屋市の衛星都市として人口に見合うような街並みがあり存在感があるかどうかの確認でした。
岐阜駅から7〜8分ほどで着いた尾張一宮駅。
改札口を出ると駅のコンコースに長さ3~4mもあるような吹き流しのような七夕飾りが10数本下がっていて、降りる人を迎えてくれています。
さらに駅前の広場には足場を組んだ10m×数mほどの広さで見上げるほどの骨組みに、これまた20本ほどの七夕飾りがなびいているのが見えました。
確かに7月初旬は七夕の時期ですが、駅の観光案内所で地図を手に入れる際に、案内所の女性に七夕飾りのことを尋ねてみました。
「そうですねえ、今年はお祭り自体は自粛してますが、飾りは例年の半分くらい飾ってあります。」との返事が返ってきました。
どうやら七夕祭りが街のメインイベントのようで、当然私が七夕祭りのことを知っているもの…と思われたのでしょう。
日本で七夕祭りと言えば、仙台とか平塚あたりが有名ですが、ここも規模が大きいように思えたので、早速スマホで検索してみると「日本3大七夕祭り」に入っているではありませんか、知らなかった。
そして一宮市の名称は、市内に鎮座している「真清田(ますみだ)神社」が「尾張の国の一宮」なので市の名称になっているとのことで、全くそのままじゃないですか。
中世から江戸時代の頃まで日本の国(律令制の国)では、神社のランク(格式、格付け)があり、地域で一番の神社を一宮、次を二宮、さらに三宮くらいまでが大体決められたようです。
律令国内の地名には時々「○〇宮」という呼び方が出てきます。
しかし国によっては一宮しか存在しない所も多くあり、その理由は分かっていないようです。
神戸の三ノ宮は、住吉神社が播磨の国の三宮だからですね。
ところで一宮市内の中心部に向かって歩きながら感じたのは、38万人の市街地の規模には見えません。もちろん小さい街とは言いませんが人口に即したほどではなく、やはり名古屋という大都会の衛星都市であり、人口が多いのは通勤エリアとしての住宅地域ではないかと感じました。
駅の周辺を見る限りでは、何とかそれなりの街のようには見えましたが、岐阜市の人口に匹敵するような数字だったのでもう少し都会的な様相を期待したのは確かでした。
とは言え1時間ほどしか滞在しなかったので、もっと他に都会的なエリアがあったかも知れません。
とても感想を言えるまでの滞在時間ではなかったのですが、街の雰囲気は分かりました。見た範囲だけで言えば、全体的には旧来の街並みが幅を利かせているイメージが濃くありました。
名古屋市の近くの都市にしては古さが残った市街地と言うところでしょうか。
歩く途中に休憩して眺めた真清田神社の門前には、駅前と同様に派手めの七夕飾りがあります。街中にも七夕飾りを少しずつ設置してあり、なるほど自慢出来るイベントには違いないと思われました。
この飾り方で半分くらいなら、100%だともしかしたら結構派手なお祭りではないかと想像しながら、次の津市に向かうために尾張一宮駅へ引き返しました。
作品名:倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」21/岐阜、一宮 作家名:上野忠司