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倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」21/岐阜、一宮

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【岐阜市・一宮市】令和3年7月

昨年(令和2年)の10月以来、9ヶ月ぶりに九州から脱出(?)して東海地方へ。まだ経験していない三重県の津市と四日市市を訪れるためですが、その前に岐阜市にも立ち寄ってみました。

福岡からの交通手段は小牧空港(名古屋空港)まで飛行機利用です。
全国的にコロナワクチン接種が高齢者の半分くらいが済んでおり、東京オリ・パラ大会を無観客にするかどうか…の議論が出ていた頃でした。

定員100人ほどの飛行機に搭乗者数は60〜70人、航空業界にとって一時期のような状況は脱したイメージがありました。

ほぼ定刻(午前10時20分)に小牧空港に到着し、岐阜市方面に向かいました。小牧空港から岐阜市に行くには、逆方向のようですが名古屋駅を経由して鉄道を利用するのが一番早く着くと思える交通手段です。

小牧空港から名古屋駅行きバスの待ち合わせ時間の予定は約10分。
私がここの空港を利用するのは3度目で勝手が分かっており、しかも狭いターミナルビルなので2〜3分もあればバス乗り場まで行けます。

搭乗出口から出て普通に歩いていると、建物のすぐ前にあるバス乗り場で「名古屋駅行きのバスが出発します。」のアナウンスがあり、バス会社のスタッフがバス乗降口で待機していました。

おや、下調べしていたバスの出発時間よりずいぶん早い…と思いながらも、少し早足になって促されるままにリムジンバスに乗り込み、運転手さんに「このバスは現金払いですね?」と問い合わせると「いや無料ですよ。」との返事で、あらぁ随分とサービスが良い。

そのまま乗り込んで「700円もうかった!」などと思いながら、ノンストップで名古屋駅に隣接するバスセンターまで30分足らずで到着しました。

明日も無料のバスが出ているのかと思い、バスセンターで出迎えていたバス会社の人に「小牧空港行きバスの乗り口はここで良いですか?」と聞いてみると「ワクチン接種は2度目ですか?」と何だか訳が分からん会話になり、どうも様子が変なのです。

実のところ、小牧空港が周辺地区のワクチン集団接種の一部会場になっていて、私が乗って来たバスはそのための送迎バスだったのです。
バス会社の人にあやふやな返事をして、そそくさと名古屋駅の方に歩きましたが、促されて乗車したとは言え何だか恥ずかしいような勘違いでした。

その日は同じ東海地方の静岡県付近では強い雨が降っており、名古屋駅では列車到着の遅れを何度もアナウンスしていました。(その日、熱海市で土石流が発生したのをホテルでのTVニュースで知りました。)

しかし名古屋市付近ではその日はむしろ薄曇りで、岐阜市方面へも特に支障なく行くことが出来たので列車遅れの実感はなく、予定通りに岐阜駅に到着しました。(実際にはダイヤは混乱していたようです。)

           ……………………………

◆岐阜市【人口 約40万人】

10年ほど前、所要で岐阜市に立ち寄り、岐阜駅前の「黄金の織田信長像」を市街地の方から遠目に見たことがあります。その時は金ピカの銅像が出来て間もない頃だったような記憶があったので、念のために調べてみると2009年建造となっています。

今回岐阜駅に降り立って改めて信長像を見てみると、なるほど燦然と輝く色合いです。建設素材はもちろん銅像で、それに金箔を貼っているとのことですが、何だか派手すぎて…もしかしたら滑稽さを感じる人も多いかも知れません。

もちろん目立つのは間違いないのですが、私にとってはせっかくの織田信長像なのに、銅像の本筋を外してしまっているような、どことなく説明出来ない違和感を抱いたという印象があります。
まあそうは言っても否定するのではなく、厳とした存在感はあるので、それはそれで結構なことかも知れませんが。

尾張から美濃にかけての地域は、特に戦国時代は信州や近江や遠州などを含め、織田信長をはじめとする名だたる武将が群雄割拠する時代を駆け抜けたエリアとしても興味を持たせます。

名古屋城はもとより、岐阜城・清須城・犬山城・彦根城・岡崎城…数ある日本のお城の中でも聞いたことがある有名城が多いのは、京都(畿内)と並んで江戸時代以前の中心地域だったと言えるからでしょう。

そんなことを思いながらお昼前に降り立った岐阜駅前から街の中心エリアへ歩きました。人口約40万人の岐阜市は、整備された駅前広場の姿も、駅を降り立って歩くメインストリートも整った街並みに思えて、ほぼ人口に即した期待通りの街でした。

それでも街の中心街付近(特にアーケード街など)を歩いてみると、どことなく歴史を感じさせる古めかしいイメージもあり、歌で有名になった柳ケ瀬エリアなどは少し色あせている雰囲気があったのも事実です。

そのアーケード付近からほど近くにあった岐阜市役所が新しくなり、5月の連休明けに新築移転して開庁したとのお知らせを街角で見かけました。
移転してまだ2ヶ月しか経っていない訳で、アーケード街から歩いても10分ほどで行けそうな場所だったので、その姿を見に行くことに…。

古びた住宅が多い昔ながらの通りをしばらく歩くと、屋根々の向こうに真っ白いビルが見えたのが、18階建ての新築間もない岐阜市役所です。上から見て四角形の角を丸く落としたような、いわゆる角Rの形で柔らかい見かけの建物です。

こんな新しいビルは岐阜駅周辺に建っていたなら見た目がすんなり溶け込んでいたかも知れませんが、やや古めの街並みにとっては新しさが際立ち、周辺にはあまり馴染まずに「イメージが乖離している」のは否めない建物でした。

それでもそのビルが「数年もすれば馴染みますよ…。」と言っているように思えたのは、私の贔屓目に違いありません。

対照的に、新築の市役所から300mほど離れた古い市役所の建物は、それこそ昔ながらの街で何十年も頑張ってきたんでしょうね、いかにも疲れ果てたような体裁です。
近いうちに解体されるのでしょうが、真新しい市役所に圧倒されて典型的に明暗を分けていました。、

そんな新旧の市役所のことを思いながら先に進んでいると、ボデイーに現代風なイラストの戦国武将が描かれているバスに何台かすれ違いました。

岐阜市に限らず、どこの街を歩く時にも市内を循環している路線バスに会いますが、岐阜市内では今風のイラストがいかにも最近のゲームに出てくるようなキャラクター風な絵を施してあるのが目立ちました。

最近はラッピングバスのデザインが多種多様ですが、それでもこんなアニメキャラのようなイラストを使って目立つようにしているのを見るにつけ、中堅都市でもバス運営が大変なのが偲ばれます。

さて、新市役所を折り返して長良橋通りという別の道を岐阜駅へ向かっていると、プチターミナルビルのような名鉄岐阜駅があり、飲食店も数店入居しているようでした。

お昼もだいぶん過ぎていたので、そろそろ昼食を摂ろうとお店を探していたのでターミナルの中に入ってみることにしました。
7月初旬の暑い中、たまにアーケード内を通ったとは言え、2時間以上も歩くとやはり休憩が必要で、冷たい生ビールは必須です。