倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」18/鳥取、松江、出雲
【鳥取市・松江市・出雲市】令和2年9月
山陰地方、40年ほど前に萩・津和野に行ったことがあります。
萩市は山口県、津和野町は細長い島根県の西端。しかも数時間の滞在だったので山陰地方を訪れたうちに入いるのでしょうか。
(山陰とは、地形的には京都府北部・兵庫県北部から山口県北部までですが、ここでは県単位で鳥取と島根にしました。)
という事で初めてと言って良い山陰地方へ行ってみましたが、やはり佐賀から行くには交通の便が悪いのです。四国行きのような飛行機利用もままならず、山陰に行くには鉄道利用か自動車利用か、どちらを選択するか迷いました。
鉄道利用の場合、佐賀駅から松江駅まで約5時間、片道17,000円ほど。
鳥取駅まで約4時間40分、片道19,000円ほど。
新幹線を利用して岡山駅で乗換えると、鳥取駅までが早いという結果になりました。
距離に比例して交通費もかかるし、現地での移動の不便さなどを考えると、今回はやむを得ず車を利用しました。たまたま車を買い替えた時期だったので、妻を誘って思い切って長い道のりを走ることに。
佐賀大和ICから高速道路に乗って出雲ICまで約580km、さらに鳥取市まで国道9号線で約110kmの道のりです。途中、昼食を含む3回の休憩をはさんで、約7時間かけて鳥取市までのロングドライブでした。
こんな長時間の運転は20歳代の頃に2度ほど経験したことはありましたが、70歳に届く年齢では結構ハードです。それでも道路がきれいで途中のSAも整っており、スムーズに走れたのは良かった…と思いましょう。
辿り着いた国道9号線沿いには日本海からの風を受ける発電用のでっかい風車が100m間隔くらいで20基ほど並んでいました。それも国道から30mくらいしか離れていないと思えるほどの至近距離にも5?6基ほど設置してあります。
風車の高さは80mくらいあるのでしょうか、近くで見る風車は迫力があります。建設費用も相当掛かると思われますが、自治体が設置して中国電力に売電するんでしょうかね。
あの白い3枚羽のでっかい風車、これほど一般道路のそばで見ることは、恐らくこの国道9号線沿いにしか無いのではないか、山陰地方だからこんな設備も造りやすいのかも知れん…などと思いながらの運転でした。
それにしても、私が中学生の頃から違和感があったのが「山陽地方」と「山陰地方」の呼称です。古代・律令制の昔から「五畿七道」で言われているので仕方ないのでしょうが、いかにも「陽」と「陰」に分けられている山陰地方の皆さんはどう思うのでしょう。
何だか当たり前と言えばそうですが、同じ中国地方なのにオモテとウラのような感じがしているのは、気にしなくても良いのですかね。
……………
◆鳥取市(人口 約19万人)
鳥取県のイメージは何と言っても砂丘です。パッと思いつくのは1にも2にも砂丘です。(たまに大山と水木ロードとカニ)
私の場合はもちろん鳥取市の街の形を見ないと落ち着きませんが、妻に言わせれば「砂丘の他に何がある?」です。
鳥取県は全国で最も人口が少ない県なのは周知です。
県庁所在地としても甲府市や山口市と並んで鳥取市は最も人口が少なく、市の数も鳥取県には4市しかありません。
但し、人口が少ないからと言ってどうのこうの言うつもりはありません、佐賀県だって似たり寄ったりですので。しかし訪れるとなると九州から見て交通の便が悪いことは間違いないのです。
ただ、鳥取県の場合は地理的には関西方面を向いているようで、鳥取側から言うと「九州に意識は向いてません!」となるでしょう。実際に道路や鉄道の経路を見ると、京都府・兵庫県などからはそれほど不便ではないかも知れません。
それはともかく、佐賀から北九州を抜けるまでほぼ1時間、その後は長?い中国山地の高速道路を更に4時間30分ほどかけてやっと日本海側の出雲市付近のSAへ。
幸いにも好天に恵まれ海の景色も穏やかです。少し休憩した後は松江市を左側に見ながら国道9号線を鳥取市に向かい、やっと到着した鳥取市。
鳥取市は丁度ラッシュ時だったのでしょう、一部渋滞していました。予約していたホテルで一休みした後に鳥取市街地図を手に入れ、夕食を摂る前に薄暮の中を鳥取駅前のメインストリートを妻と一緒に歩いてみました。
やはり予想通り、いやそれより以上に街の姿もこじんまりしていて、道幅も狭く交通量も少なく寂しい感じです。
市街地図では駅前から長く伸びているように見えたメインストリートですが、徒歩20分ほどで終わってしまいました。往復わずか40分位で戻って来た鳥取駅は人口に見合ったサイズはありましたが、周辺にちゃんとした食事処が見つかりません。
結局、半分仕方なく大きい居酒屋のようなガヤガヤしたお店に入りましたが、「もう少しオシャレな店に連れて行って欲しいなぁ…」とは妻の弁。
もしかしたら、他にカニを出すお店などがあったかも知れませんが、ネット検索ではカニの店は境港市の方が多く紹介されていました。
まあ、それなりに楽しい食事ではありましたが、こうなると翌日訪れる鳥取砂丘を経験することで、点数を取り戻すことにしましょう。
さて翌朝、少しは県庁所在地として面目躍如の街並みがあるかも知れんと思い、朝食前に一人で駅の反対側を散策してみました。まあ結果は推して知るべし、特記するような特徴も少なく、小さめの街であったのには違いありません。
20分ほどの散策した後に妻と一緒にホテルの朝食バイキングの会場へ。
そこで驚いたのは、お客さんが席を利用する度にホールスタッフが1回1回テーブルクロスを交換していたことです。
全国的に名声あるホテルだったのですが、そこまで実施するのは「さすが」と言うより、やり過ぎと感じたのも否めません。しかしその時の丁寧な対応が、宿泊客から情報としていき渡って評価になるのでしょうね。
さて、9時過ぎ頃にチェックアウト、午前中の時間を使って待望の鳥取砂丘へ向かいました。鳥取駅周辺からは予想よりも距離が近く、15分ほどで到着です。
しかし着いてみると砂丘周辺の駐車場の案内がよく分からない…、全体でどれくらいの広さの駐車場スペースがあったのでしょうか。車で初めて訪れる人にとってはやや分かりにくく、その時はお土産屋さんのような施設の駐車場を利用しました。
そこから砂浜が結構見えていたので、「この辺から中に入るとやろね…」と思える場所から入りました。そんな鳥取砂丘で感じたことと言えば、全体の面積こそ広くはないものの、確かに一度訪れて損はありません。
その日は天気にも恵まれ、日本海の海の色と晴天の空の色、そして砂丘の砂の色が一つのキャンバスになって気分が晴れました。まあ見た限りでは砂丘のスペースは長さ3?4km、幅1kmくらいでしょうか。
ところがネットで検索してみると、鳥取砂丘は東西16km、南北2km、東京ドーム117個分とあります。いや、どう見てもそこまで広いとは思えません…、それとも私の感覚がおかしいのか数倍も違うじゃないですか。
山陰地方、40年ほど前に萩・津和野に行ったことがあります。
萩市は山口県、津和野町は細長い島根県の西端。しかも数時間の滞在だったので山陰地方を訪れたうちに入いるのでしょうか。
(山陰とは、地形的には京都府北部・兵庫県北部から山口県北部までですが、ここでは県単位で鳥取と島根にしました。)
という事で初めてと言って良い山陰地方へ行ってみましたが、やはり佐賀から行くには交通の便が悪いのです。四国行きのような飛行機利用もままならず、山陰に行くには鉄道利用か自動車利用か、どちらを選択するか迷いました。
鉄道利用の場合、佐賀駅から松江駅まで約5時間、片道17,000円ほど。
鳥取駅まで約4時間40分、片道19,000円ほど。
新幹線を利用して岡山駅で乗換えると、鳥取駅までが早いという結果になりました。
距離に比例して交通費もかかるし、現地での移動の不便さなどを考えると、今回はやむを得ず車を利用しました。たまたま車を買い替えた時期だったので、妻を誘って思い切って長い道のりを走ることに。
佐賀大和ICから高速道路に乗って出雲ICまで約580km、さらに鳥取市まで国道9号線で約110kmの道のりです。途中、昼食を含む3回の休憩をはさんで、約7時間かけて鳥取市までのロングドライブでした。
こんな長時間の運転は20歳代の頃に2度ほど経験したことはありましたが、70歳に届く年齢では結構ハードです。それでも道路がきれいで途中のSAも整っており、スムーズに走れたのは良かった…と思いましょう。
辿り着いた国道9号線沿いには日本海からの風を受ける発電用のでっかい風車が100m間隔くらいで20基ほど並んでいました。それも国道から30mくらいしか離れていないと思えるほどの至近距離にも5?6基ほど設置してあります。
風車の高さは80mくらいあるのでしょうか、近くで見る風車は迫力があります。建設費用も相当掛かると思われますが、自治体が設置して中国電力に売電するんでしょうかね。
あの白い3枚羽のでっかい風車、これほど一般道路のそばで見ることは、恐らくこの国道9号線沿いにしか無いのではないか、山陰地方だからこんな設備も造りやすいのかも知れん…などと思いながらの運転でした。
それにしても、私が中学生の頃から違和感があったのが「山陽地方」と「山陰地方」の呼称です。古代・律令制の昔から「五畿七道」で言われているので仕方ないのでしょうが、いかにも「陽」と「陰」に分けられている山陰地方の皆さんはどう思うのでしょう。
何だか当たり前と言えばそうですが、同じ中国地方なのにオモテとウラのような感じがしているのは、気にしなくても良いのですかね。
……………
◆鳥取市(人口 約19万人)
鳥取県のイメージは何と言っても砂丘です。パッと思いつくのは1にも2にも砂丘です。(たまに大山と水木ロードとカニ)
私の場合はもちろん鳥取市の街の形を見ないと落ち着きませんが、妻に言わせれば「砂丘の他に何がある?」です。
鳥取県は全国で最も人口が少ない県なのは周知です。
県庁所在地としても甲府市や山口市と並んで鳥取市は最も人口が少なく、市の数も鳥取県には4市しかありません。
但し、人口が少ないからと言ってどうのこうの言うつもりはありません、佐賀県だって似たり寄ったりですので。しかし訪れるとなると九州から見て交通の便が悪いことは間違いないのです。
ただ、鳥取県の場合は地理的には関西方面を向いているようで、鳥取側から言うと「九州に意識は向いてません!」となるでしょう。実際に道路や鉄道の経路を見ると、京都府・兵庫県などからはそれほど不便ではないかも知れません。
それはともかく、佐賀から北九州を抜けるまでほぼ1時間、その後は長?い中国山地の高速道路を更に4時間30分ほどかけてやっと日本海側の出雲市付近のSAへ。
幸いにも好天に恵まれ海の景色も穏やかです。少し休憩した後は松江市を左側に見ながら国道9号線を鳥取市に向かい、やっと到着した鳥取市。
鳥取市は丁度ラッシュ時だったのでしょう、一部渋滞していました。予約していたホテルで一休みした後に鳥取市街地図を手に入れ、夕食を摂る前に薄暮の中を鳥取駅前のメインストリートを妻と一緒に歩いてみました。
やはり予想通り、いやそれより以上に街の姿もこじんまりしていて、道幅も狭く交通量も少なく寂しい感じです。
市街地図では駅前から長く伸びているように見えたメインストリートですが、徒歩20分ほどで終わってしまいました。往復わずか40分位で戻って来た鳥取駅は人口に見合ったサイズはありましたが、周辺にちゃんとした食事処が見つかりません。
結局、半分仕方なく大きい居酒屋のようなガヤガヤしたお店に入りましたが、「もう少しオシャレな店に連れて行って欲しいなぁ…」とは妻の弁。
もしかしたら、他にカニを出すお店などがあったかも知れませんが、ネット検索ではカニの店は境港市の方が多く紹介されていました。
まあ、それなりに楽しい食事ではありましたが、こうなると翌日訪れる鳥取砂丘を経験することで、点数を取り戻すことにしましょう。
さて翌朝、少しは県庁所在地として面目躍如の街並みがあるかも知れんと思い、朝食前に一人で駅の反対側を散策してみました。まあ結果は推して知るべし、特記するような特徴も少なく、小さめの街であったのには違いありません。
20分ほどの散策した後に妻と一緒にホテルの朝食バイキングの会場へ。
そこで驚いたのは、お客さんが席を利用する度にホールスタッフが1回1回テーブルクロスを交換していたことです。
全国的に名声あるホテルだったのですが、そこまで実施するのは「さすが」と言うより、やり過ぎと感じたのも否めません。しかしその時の丁寧な対応が、宿泊客から情報としていき渡って評価になるのでしょうね。
さて、9時過ぎ頃にチェックアウト、午前中の時間を使って待望の鳥取砂丘へ向かいました。鳥取駅周辺からは予想よりも距離が近く、15分ほどで到着です。
しかし着いてみると砂丘周辺の駐車場の案内がよく分からない…、全体でどれくらいの広さの駐車場スペースがあったのでしょうか。車で初めて訪れる人にとってはやや分かりにくく、その時はお土産屋さんのような施設の駐車場を利用しました。
そこから砂浜が結構見えていたので、「この辺から中に入るとやろね…」と思える場所から入りました。そんな鳥取砂丘で感じたことと言えば、全体の面積こそ広くはないものの、確かに一度訪れて損はありません。
その日は天気にも恵まれ、日本海の海の色と晴天の空の色、そして砂丘の砂の色が一つのキャンバスになって気分が晴れました。まあ見た限りでは砂丘のスペースは長さ3?4km、幅1kmくらいでしょうか。
ところがネットで検索してみると、鳥取砂丘は東西16km、南北2km、東京ドーム117個分とあります。いや、どう見てもそこまで広いとは思えません…、それとも私の感覚がおかしいのか数倍も違うじゃないですか。
作品名:倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」18/鳥取、松江、出雲 作家名:上野忠司