倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」16/大分、宮崎
【大分市・宮崎市】令和2年6月
私が住んでいる佐賀市は、九州の西側です。
同じ九州でも、佐賀から九州の東側に行くには意外と不便で、鉄道は通っていても本数も少なくあまり利用しようとは思いません。
車で行くのであれば高速道路利用でOKなのですが、街歩きするのには車は邪魔なばかりです。
そこで今回は珍しく高速バスを使って東九州(大分市は数年ぶり、宮崎市は20数年ぶり)に出かけてみました。時には高速バスの利用が便利、そしてその料金が安いのが何よりです。
私の場合、令和元年6月に新潟市?会津若松市の移動の際、鉄道が少し不便だったので高速バスを利用することで補ったことを思い出します。
それまでは都市間の移動は鉄道利用が基本でしたが、鉄道での移動が不便な時は(高速道路の完備が条件ですが…)バスが安くて便利です。また、たいていの高速バスにはスマホ充電用のコンセントも完備しています。
鉄道の場合、特急を利用すると特急料金が必要です。それが運賃を引き上げるので、バスと比べてどうしても割高になります。単に利用する距離が同じなら、特急料金が無ければ普通列車料金とバス料金はほぼ同額のようです。
普通列車(または快速)などを利用して、ゆっくり行くのも良いのですが、もしかしたら高速バスを利用する方がコスパが良いと改めて思いました。
但し、長距離バスを利用・予約する時は、アプリなどを使って予約する必要がある場合が殆どなので、私は「バス比較ナビ」をダウンロードして予約しました。
……………
◆大分市
九州の都市では5番目に人口が多い大分市。
大分県と言えば別府、湯布院(湯平町+由布院町が合併)などの温泉地や、猿で有名な高崎山などを思い出します。その他、全国八幡宮の総本山・宇佐神宮や国東半島の石仏やなどはどこか宗教的な匂いもあって歴史を感じます。
そして豊後高田市・昭和の街、福沢諭吉や九州屈指の戦国武将・大友宗麟の存在も忘れてはいけません。そんな中、大分市は47万人もの人口がありながらお隣の別府市のネームバリューに負けそうなのは何故なのか。
別府市は人口約12万人という想定外の少なさですが、大分市の約47万人も「想定外の多さ」です。私にとってその人口に即しているかどうか大分市の街の姿を確認する必要がありました。
数年前に新しい大分駅のすぐ横に高層ビルが完成した時、駅の商業施設を見学に行ったことがあります。ただその時は駅と周辺を見るにとどめたので、大分市の姿そのものはちゃんと見ていませんでした。
自分の中では、大分市に対する感想は「それほど期待出来る街ではないのでは?…」と言うのが本音でした。しかし、実際のところ大分駅前だけを見ても、その広さは街の規模が大きいのを感じさせます。
バスやタクシーの出入りはあるものの、駅前スペースは小さめの野球場が出来るのではと思われるほど広く、まさに「広場そのもの」です。新しく大分駅を整備する際に、大規模なイベントも開催出来ると思われるサイズを確保する計画があったのでしょう。
その広場には大友宗麟の銅像の他にフランシスコ・ザビエルの像もあり、宗麟が着ている服装がバテレン仕様なので、宗麟がキリシタン大名であったことを再認識させられます。
そして駅の反対側(北口)にも行ってみると、新しくて若々しさを感じさせるスペースがあって、こちらもかなり広い。大分駅周辺(両側)によくこんなスペースがあるもんだ…と計画性の良さと行政の実行力に感心しました。
駅構内のショッピングモールを一通り見学し、大分市の繁華街へ行くために駅の南口(府内口)に戻り、駅前広場を通り越して中心街へ向かいました。
駅前から数百mほど歩くうちに結構立派なアーケード街があり、何となくその中を通ってみることに。
300mほども続くアーケード商店街は人口に比例するように賑やかで、予想以上に活気がありました。アーケードの反対側出口付近にも広々としたスペースがあるなど、余裕のある街づくりをしている印象を与えてくれます。
アーケードを抜けると、OASIS何とかという背の高いビル(NHKなど色々な施設が入っている)や隣接する博物館などが印象的です。その周辺の新しさは再開発されたのでしょうか、街の勢いを感じました。
市内の地図を見ると、そこから1kmほど東側に大分城址公園があり、付近には県庁などの官公庁や大分合同新聞社もあります。
江戸時代までは大分市は「豊後国・府内」、大分城は府内城とも呼ばれ、ネット資料によると府内は南蛮貿易で栄えたとあります。
ただ、それにしては近くから見る大分城址は石垣なども小さめで城址公園としての重みがあまり感じられないのはやや残念ではありました。
それはともかく、街の全体的な印象としてはそんなに特徴はないにしても、東九州のリーダー都市としての存在感は十分に感じられます。
大分市は歴史もあり、思いのほか工業都市で人口も多いのですが、しかし私にとっては何故か印象が薄い不思議な部分があります。やはり大分県と言えば別府という名称に負けてしまうのでしょうか…。
しかし、大分市としては「街としての立ち位置が違うので、別府市と比較するのは元々おかしい…」と言っているようです。それは負け惜しみではなく、実際に大分県ばかりでなく東九州を担う街に相違なく、確かに人口に見合う活気はありました。
さて2時間半ほどの街歩きの後、もうお昼時を過ぎようとしたので大分駅へ戻り、駅構内の食事処で名物「トリ天定食」をいただきました。大分と言えばトリ天が結構有名なので、他のメニューよりは気になりますね。
ところで今回、大分市から宮崎市に行く手段としてJR日豊本線の特急を利用しました。当初は高速バス利用の計画でしたが、大分市?宮崎市に関しては6月末日まで新型コロナウイルスの影響でバスが運休していました。
大分市周辺のいくつかのバス路線は運行しているのに、その宮崎行きを運営している会社はよほど慎重だったのでしょう、半分仕方なく電車利用となりました。
大分駅から宮崎駅まで、特急「にちりん号」の乗車時間は約3時間、結構遠くて地図を見ると約200kmもあります。途中の目立った街と言えば延岡市くらいで、それも車窓から見る限りでは大きいとは言えない街の姿です。
定員の半分ほどを乗せた特急、乗車時間の後半は日向灘海岸の景色を見ながらの列車旅でした。日豊本線は大半が単線で、特急なのに駅での列車待ち合わせが3回もあり、やはり交通事情があまりよろしくないようです。
そう言えば東九州自動車道も完全に全線が繋がったのは最近ではなかったでしょうか。九州ではどうしても「北九州?福岡?熊本?鹿児島」のラインが強く、東九州はインフラ整備が後回しなのは仕方ないかも知れません。
西九州(佐賀・長崎方面)と比較するとどっちもどっちのようですが、高速道路も新幹線も長崎方面が優先で東九州は後回しです。やはりどうしても絶対的な都市の福岡市を含む九州の中央幹線ラインに沿っている地域が優先と言うことでしょう。
◆宮崎市
夕刻5時頃に着いた宮崎駅は、大規模なリニューアル工事の真っ最中でした。
私が住んでいる佐賀市は、九州の西側です。
同じ九州でも、佐賀から九州の東側に行くには意外と不便で、鉄道は通っていても本数も少なくあまり利用しようとは思いません。
車で行くのであれば高速道路利用でOKなのですが、街歩きするのには車は邪魔なばかりです。
そこで今回は珍しく高速バスを使って東九州(大分市は数年ぶり、宮崎市は20数年ぶり)に出かけてみました。時には高速バスの利用が便利、そしてその料金が安いのが何よりです。
私の場合、令和元年6月に新潟市?会津若松市の移動の際、鉄道が少し不便だったので高速バスを利用することで補ったことを思い出します。
それまでは都市間の移動は鉄道利用が基本でしたが、鉄道での移動が不便な時は(高速道路の完備が条件ですが…)バスが安くて便利です。また、たいていの高速バスにはスマホ充電用のコンセントも完備しています。
鉄道の場合、特急を利用すると特急料金が必要です。それが運賃を引き上げるので、バスと比べてどうしても割高になります。単に利用する距離が同じなら、特急料金が無ければ普通列車料金とバス料金はほぼ同額のようです。
普通列車(または快速)などを利用して、ゆっくり行くのも良いのですが、もしかしたら高速バスを利用する方がコスパが良いと改めて思いました。
但し、長距離バスを利用・予約する時は、アプリなどを使って予約する必要がある場合が殆どなので、私は「バス比較ナビ」をダウンロードして予約しました。
……………
◆大分市
九州の都市では5番目に人口が多い大分市。
大分県と言えば別府、湯布院(湯平町+由布院町が合併)などの温泉地や、猿で有名な高崎山などを思い出します。その他、全国八幡宮の総本山・宇佐神宮や国東半島の石仏やなどはどこか宗教的な匂いもあって歴史を感じます。
そして豊後高田市・昭和の街、福沢諭吉や九州屈指の戦国武将・大友宗麟の存在も忘れてはいけません。そんな中、大分市は47万人もの人口がありながらお隣の別府市のネームバリューに負けそうなのは何故なのか。
別府市は人口約12万人という想定外の少なさですが、大分市の約47万人も「想定外の多さ」です。私にとってその人口に即しているかどうか大分市の街の姿を確認する必要がありました。
数年前に新しい大分駅のすぐ横に高層ビルが完成した時、駅の商業施設を見学に行ったことがあります。ただその時は駅と周辺を見るにとどめたので、大分市の姿そのものはちゃんと見ていませんでした。
自分の中では、大分市に対する感想は「それほど期待出来る街ではないのでは?…」と言うのが本音でした。しかし、実際のところ大分駅前だけを見ても、その広さは街の規模が大きいのを感じさせます。
バスやタクシーの出入りはあるものの、駅前スペースは小さめの野球場が出来るのではと思われるほど広く、まさに「広場そのもの」です。新しく大分駅を整備する際に、大規模なイベントも開催出来ると思われるサイズを確保する計画があったのでしょう。
その広場には大友宗麟の銅像の他にフランシスコ・ザビエルの像もあり、宗麟が着ている服装がバテレン仕様なので、宗麟がキリシタン大名であったことを再認識させられます。
そして駅の反対側(北口)にも行ってみると、新しくて若々しさを感じさせるスペースがあって、こちらもかなり広い。大分駅周辺(両側)によくこんなスペースがあるもんだ…と計画性の良さと行政の実行力に感心しました。
駅構内のショッピングモールを一通り見学し、大分市の繁華街へ行くために駅の南口(府内口)に戻り、駅前広場を通り越して中心街へ向かいました。
駅前から数百mほど歩くうちに結構立派なアーケード街があり、何となくその中を通ってみることに。
300mほども続くアーケード商店街は人口に比例するように賑やかで、予想以上に活気がありました。アーケードの反対側出口付近にも広々としたスペースがあるなど、余裕のある街づくりをしている印象を与えてくれます。
アーケードを抜けると、OASIS何とかという背の高いビル(NHKなど色々な施設が入っている)や隣接する博物館などが印象的です。その周辺の新しさは再開発されたのでしょうか、街の勢いを感じました。
市内の地図を見ると、そこから1kmほど東側に大分城址公園があり、付近には県庁などの官公庁や大分合同新聞社もあります。
江戸時代までは大分市は「豊後国・府内」、大分城は府内城とも呼ばれ、ネット資料によると府内は南蛮貿易で栄えたとあります。
ただ、それにしては近くから見る大分城址は石垣なども小さめで城址公園としての重みがあまり感じられないのはやや残念ではありました。
それはともかく、街の全体的な印象としてはそんなに特徴はないにしても、東九州のリーダー都市としての存在感は十分に感じられます。
大分市は歴史もあり、思いのほか工業都市で人口も多いのですが、しかし私にとっては何故か印象が薄い不思議な部分があります。やはり大分県と言えば別府という名称に負けてしまうのでしょうか…。
しかし、大分市としては「街としての立ち位置が違うので、別府市と比較するのは元々おかしい…」と言っているようです。それは負け惜しみではなく、実際に大分県ばかりでなく東九州を担う街に相違なく、確かに人口に見合う活気はありました。
さて2時間半ほどの街歩きの後、もうお昼時を過ぎようとしたので大分駅へ戻り、駅構内の食事処で名物「トリ天定食」をいただきました。大分と言えばトリ天が結構有名なので、他のメニューよりは気になりますね。
ところで今回、大分市から宮崎市に行く手段としてJR日豊本線の特急を利用しました。当初は高速バス利用の計画でしたが、大分市?宮崎市に関しては6月末日まで新型コロナウイルスの影響でバスが運休していました。
大分市周辺のいくつかのバス路線は運行しているのに、その宮崎行きを運営している会社はよほど慎重だったのでしょう、半分仕方なく電車利用となりました。
大分駅から宮崎駅まで、特急「にちりん号」の乗車時間は約3時間、結構遠くて地図を見ると約200kmもあります。途中の目立った街と言えば延岡市くらいで、それも車窓から見る限りでは大きいとは言えない街の姿です。
定員の半分ほどを乗せた特急、乗車時間の後半は日向灘海岸の景色を見ながらの列車旅でした。日豊本線は大半が単線で、特急なのに駅での列車待ち合わせが3回もあり、やはり交通事情があまりよろしくないようです。
そう言えば東九州自動車道も完全に全線が繋がったのは最近ではなかったでしょうか。九州ではどうしても「北九州?福岡?熊本?鹿児島」のラインが強く、東九州はインフラ整備が後回しなのは仕方ないかも知れません。
西九州(佐賀・長崎方面)と比較するとどっちもどっちのようですが、高速道路も新幹線も長崎方面が優先で東九州は後回しです。やはりどうしても絶対的な都市の福岡市を含む九州の中央幹線ラインに沿っている地域が優先と言うことでしょう。
◆宮崎市
夕刻5時頃に着いた宮崎駅は、大規模なリニューアル工事の真っ最中でした。
作品名:倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」16/大分、宮崎 作家名:上野忠司