ほんのちょこっと街ある記 14/松本、長野、富山、金沢、福井
北陸地方の中心都市としての貫録ぶりと存在感はしっかりと分かりました。また訪れる機会があれば、次回はもう少しゆっくりと昔からの金沢市の姿を見る必要があるようです。
薄暗くなって駅に近い食事処でいただいたビールは、何故かあまり味が分かりませんでした。
この日、長野市〜富山市〜金沢市を巡ったのですが、私のスマホ万歩計は食事後にホテルに帰った時で3万歩超。3年半前に女房殿と一緒にローマ市内を歩いて以来の3万歩超でしたが、いやはや充実した一日になりました。
◆福井市(人口 約26万人)
今回はかなり欲張った道程の4日間でしたが、それも最終日になってしまい、福井市まで足を延ばしました。その後は小松空港からの飛行機で福岡空港まで帰るので、福井市に寄った後は金沢市方面へ少し逆戻りです。
金沢駅から北陸本線で「しらさぎ58号」の利用でしたが、中部地方は新幹線以外の特急列車の種類が多い。北陸本線には「サンダーバード」と言う特急もあって、その違いは行き先によって名前が違うようです。
金沢駅からは電車の窓際に座りましたが、途中の駅から乗って来た中年男性の客が私の横に座りました。数分もしないうちに「ああ、新幹線の工事をやってますね。」と話しかけられてから、会話になりました。
実際に金沢市から福井市までの北陸新幹線の延伸工事が進んでいて、半分くらい出来ているように見えます。その男性は千葉県から出張で来たとのことでしたが、台風15号の被害などの話で10分ほども話しました。
私が街歩きで一人旅をする時は、ほとんど喋ることなく、ホテルのチェックイン時と食事をする時くらいです。一日に数回ちょこっと声をだすだけなのに、その時は久しぶり?に10分も話のやり取りをしたのは珍しい。
さて40分ほどで福井駅へ到着、福井市の人口は約26万人と言うことで、松本市とあまり変わらんな…。そんなことを思いながら福井駅に着いてみると、駅の建物は新しくてきれいでしたが人通りが寂しい。
ただ、駅前に出てみると何と路面電車が通っていて、豊橋市でもそうでしたが、不意を突かれた心境でした。富山市の路面電車はもちろん分かっていましたが、福井市にもあるとは知りませんでした。
福井駅の中も、駅前の広場にも人が多いようには見えないのに、運営は大丈夫かな…と余計なことを考えます。後で調べると、高岡市にも路面電車があるらしく、高岡市の人口は約17万人なのに驚かされます。
もう一つ特筆することは、駅前の広場に3mから10mほどもありそうな「動く恐竜のモニュメント」が3体設置されていました。動くと言っても声を出しながら首としっぽが動くくらいですが、子ども達には受けるのではないでしょうか。
更に駅舎の壁面にも恐竜のリアルなイラストが多く描かれ、福井県が恐竜をアピールしているのが分かります。人通りは少なくても、駅の横には背が高いホテルや大きいガラス張りの物産館などがあり、見た目には立派です。
街並みを見ようと歩きましたが、路面電車以外には見るところは少なく、県庁や市役所もそれなりに普通のサイズです。電車が走っている道路は広かったのですが、ビル街も特に目立たない、何だかおとなしい街に見えます。
金沢市に行った後だったのでイメージが残っており、福井市の街のおとなしさが目立ったかも知れません。すっきりとした街並みではありましたが、ここも地方都市の厳しさを見るようで、佐賀市も他人ごとではない。
まあ、福井市には「寄るだけ寄ってみた」と言うレベルで、特にそれ以上は街なかに行く気は起きませんでした。駅前のガラス張りの建物の中にあった食事処では、さすがに多少の人出はあったものの、賑やかさも限定的です。
福井市としては、北陸本線の電車の中から見えていた北陸新幹線の延伸工事の完成が待ち遠しいのではないでしょうか。いくら「日本で住みやすい県」の上位とは言え、活発には見えない福井県の活況には不可欠かも知れません。
ただ、駅の反対側には「えちぜん鉄道」というローカル私鉄の駅があって、設備は整っているようです。そして予定にはなかったですが、福井駅の反対側にあるバス停から小松空港行き直行バスに乗ることにしました。
当初の予定では、福井駅→小松駅→小松空港、としていたのに、バスの運賃が安いかも…と思ったからでした。ところがどっこい、むしろ高かったことがチケットを買った後に判明し、小松駅を見ることもなく、あぁ失敗!
ところで、小松空港から福岡空港までは何と「プロペラ機」で、これも私にとっては初めての経験でした。
ちなみにプロペラ機はサイズは小さかったものの、思いのほかエンジン音も静かで乗り心地も良かったようです。
作品名:ほんのちょこっと街ある記 14/松本、長野、富山、金沢、福井 作家名:上野忠司