プトレマイオス・マリッジ・トラベル
ざわめく人の声が混ざり合い一つの喧騒になっている。
濁流のような流れの中、私は一人、ぽつんと立つ。
港に、来ていた。
大きなトランクを引いた女が私にぶつかる。よろめいた私はすっかり力が抜けて、その場に座り込んでしまう。外に出ることすら久しい私は、人の波にただ揉まれている。
中央フロアに掲げられた巨大な掲示板は、行き先を記すプレートをパラパラと回転させてせわしなく行き先を告げていた。アンドロメダ……オリオン……。一つずつ順番に読み上げる私は、言葉を教わる赤子なのかもしれない。
「ほら、早く」
不意に飛び込んだ声に私は見上げる。彼がいた。そう、私は、彼と港に来た。彼と二人で、旅に出るのだ。
彼に急かされて手をとる。行き先は知らない。いつかの超新星かもしれない。
濁流のような流れの中、私は一人、ぽつんと立つ。
港に、来ていた。
大きなトランクを引いた女が私にぶつかる。よろめいた私はすっかり力が抜けて、その場に座り込んでしまう。外に出ることすら久しい私は、人の波にただ揉まれている。
中央フロアに掲げられた巨大な掲示板は、行き先を記すプレートをパラパラと回転させてせわしなく行き先を告げていた。アンドロメダ……オリオン……。一つずつ順番に読み上げる私は、言葉を教わる赤子なのかもしれない。
「ほら、早く」
不意に飛び込んだ声に私は見上げる。彼がいた。そう、私は、彼と港に来た。彼と二人で、旅に出るのだ。
彼に急かされて手をとる。行き先は知らない。いつかの超新星かもしれない。
作品名:プトレマイオス・マリッジ・トラベル 作家名:ミツバ