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ほんのちょこっと街ある記 1/札幌、小樽、余市、富良野、旭川

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【札幌市・小樽市・余市町・富良野市・旭川市】平成27年5月 
 
◆札幌市(人口 約195万人)
 
今回は結婚35周年を機会として女房殿と同伴、北海道へは35年ぶりの再訪となりました。
 
昭和55年当時の札幌市と言えば、昭和47年の札幌オリンピック開催の記憶も新しかった。 開催に向けて車輪がゴムで出来ている地下鉄が数年前に開業していて話題にもなりました。
 
さて、今回の北海道行きはゴールデンウイークを避けて5月下旬に設定しました。
 
福岡空港からお昼前に出発のANA直行便で新千歳空港まで2時間30分ほどのフライト。新千歳空港から札幌駅へ電車で20分以上、札幌駅に着く頃には「大きな街に来た」と言う期待感がありました。
 
札幌市街地は京都市と同様に、道路が碁盤の目のように縦横に走っています。
駅からホテルへ向かう途中に大通り公園を横切り、その時は「札幌だ!」と言う気分になりました。
 
ホテルに荷物を置いた後、女房殿の40年来の友人の方と会うために、約束の場所まで散策することに。
歩いて10分ほどの「大通り公園」では「ライラックまつり」が開催されており、立ち寄ってみました。
 
大通り公園はその名を全国に知られているだけのことはあり、広い上に良く整備されています。周辺に見える背の高いビルも背景としてマッチしているので、居心地が良い空間ですね。
 
30分ほどライラックまつり会場を楽しんで、そこを出ようとした時、1台の幌馬車に遭遇。公園沿いの側道で、観光用に働かされているような馬(道産子?)を見て少し可哀そうな気もしました。
 
数人の人間を乗せている上に重そうな馬車を曳いており、いくら馬でも簡単ではないでしょう。そんな馬が曳く馬車に乗っている人はどう感じるのでしょうかね。
 
さて、そのまま大きな通りを駅の方面に歩き、整った建物が多い街の中心はさすがに都会の風景です。
そして有名な時計台を見た時が、本当に「札幌に来た!」と思いました。
 
但し、35年前もそうでしたが、有名なのに何故か時計台のインパクトはあまり感じません。周辺に高いビルがあるのが一因かも知れませんが、それでも札幌観光のシンボルとしての存在感はあります。
 
その後、女房殿の友人と北海道旧庁舎の近辺にある商業ビル内での待ち合わせ、友人ご夫妻と食事です。北海道の旧庁舎が目の前に見えるおしゃれな店で夕食をいただきました。(ご夫妻のセッティング!)
 
北の北海道と南の九州、遠く離れていても心では繋がっている…本当の友人ですね。しばし昔話などで和やかな食事時間を過ごし、夕食後は女房殿とホテルまでの散歩で少し若返ったかも。
 
さて、宿泊した翌日の朝、予約していたレンタカー会社のスタッフがホテルまで迎えに来てくれました。
普通は客の方からレンタカー会社のオフィスまで出向くのでしょうが、なかなか親切ですね。
 
レンタカー会社を出発、まずは佐賀出身の島義勇(しまよしたけ)の銅像が設置してある北海道神宮へ。島義勇の銅像が札幌市役所と北海道神宮にあることは聞いていたので、ちょっと見学です。
 
銅像を見た後に神宮内を少し歩きましたが、歩いてもやはり広く、その広さが約6万坪とあります。
敷地の一部には数十種類の花なども植えてあるガーデンのような場所もあり、気分的にも落ち着けました
 
さて、北海道神宮を後にして、観光案内マップで「札幌の街を一望できる」とある藻岩山に行くことに。
10分ほどで着いた藻岩山への登り口付近に車を置いて、ロープウエイで山頂へ向かいます。
 
標高は500mほどでしたが、市街地から離れているのか、街の様子がはっきり見えません。 札幌ドームはすぐに分かりましたが、それ以外は「遠景」と言う感じだったのがやや残念でした。
 
それにしても札幌市は、私にとって何故か日本でも特異な位置付けで存在します。それは北海道が地理的に日本の端っこだからという訳ではありません。(九州も日本の端っこですかね)

明治から一気に進展した街作りの歴史からも、日本人のフロンティア精神が詰まっていると思うからです。長い時間をかけて発展した他の日本の都市とは異なり、「新しい文化を持った特異な街」と言うイメージです。
 
一般的に日本の標準語は東京弁と言われますが、そうではなく、標準語は北海道弁と言う説があります。オール日本から集まった北海道だからこそ、各地の言葉がミックスされている…との論理です。
 
そんな理屈があっても良いのですが、「北海道弁」と言うのがあるかどうかは分かりませんが…。
今回、1日だけの滞在で仕方ないですが、北大のキャンパスに行かなかったのを少し後悔しました。
 
 
◆小樽市(人口 約12万人)
 
札幌市の藻岩山駐車場から日本海沿いに車で1時間もかからず、予想より早く小樽市に到着。途中の道路の混雑もなく、玄界灘の沿岸を運転しているのでは…と錯覚するほど雰囲気が似ていました。
 
小樽市にはお昼前に到着。
とりあえず車を停めて、運河沿いの倉庫群を挟んだ裏通りを女房殿と一緒に歩いてみました。
 
倉庫そのものを改装したようなレトロな雰囲気の飲食店も多く、何となく大雑把なイメージです。手書きしたメニューの木の看板も多いのが、かえって雰囲気も良く、入店意欲を誘います。
 
昼食のためにそのうちの1軒に入ってみると、レトロな雰囲気で当然ながらテーブルも椅子も古い木製。そして木枠の窓から20人ほどの客を乗せて運行する舟が見えて、ヨーロッパにでもいるような感じでした。
 
そこで昼食を済ませた後に、運河沿いの河畔をちょっと散歩です。
雑貨や絵を売る若者たちや、人力車に客を誘うお兄さんたちが観光地の雰囲気を醸し出していました。
 
運河にかかる橋を渡って広めの道路を横断し、商店街の方へ。小樽はガラス工芸でも有名で、更に一筋入った道路沿いには多くのガラス細工店が軒を連ねています。

特に女性にとってガラス製品は宝石に似たイメージを与えるのではないでしょうか。熱心にガラス製品を見ている女性も多く、私もガラス製の小さな置物を3個ほど購入しました。

小樽と言えばレンガ壁の倉庫が並ぶ運河、その風景は九州でも見慣れた観光地として認知されています。
その有名な街の小樽の人口が約12万人とは意外に少なく、20万人くらいの人口はあっても良さそうです。
 
戦前は貿易港としても存在価値があり、どことなく街の形態が九州の門司に似た雰囲気があります。北海道の中心が札幌に移るまでは函館と並んで北海道の中心的役割を担っていました。
 
それでも人口の面からは、残念ながら減少の一途を辿っています。人の流れが札幌に向かっているのでしょう、北海道に限らず日本全国の地方に課せられた課題です。
 
しかし、小樽の街には小規模ながら明治以降の歴史と風格が感じられました。
まだまだプライドでは他の街には負けない、人口減にめげない明るさと賑やかさは残っていました。
 
有名なのに人口が少ない都市は、大都市周辺ではなく地方にあるからこそ、その街の存在感があります。人口では測れない街の力があると言うことでしょう。