端数報告3
と、こんなことを書きながらおれは決して犯罪に詳しいわけじゃないのを自分でよくわかってるけど、でもこの越智啓太ってのの億倍は知ってるだろうな。殺しでいちばん多いのは、
「遊ぶカネ欲しさ」
だ。襲う相手は見ず知らずだ。逆恨みで知人を殺す場合も動機はそれだけでなく、
「こいつならカネを持ってるだろう」
と考えるからで、奪ったカネで遊ぶのが第一目的というのが多い。純粋な怨恨は「肉親を殺された」といったのを除くとまず皆無に近い。
それが基本だよ。で、もうひとりが福田充とかいうの。ユナボマーの声明文について何か言うので聞いてみると、
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福田「当然そのもちろん人を殺していいということには絶対ならないんですけれども、しかし、ここには目的と言うかなんですかね、主義主張というものがやっぱり、ちゃんと説明されている。産業社会・科学技術というものを批判したい。それを社会に訴えたいという、そのイデオロギーとしては非常に理解できる。わかりやすい構成になっているとぼくは思います」
青井「なるほど」
福田「ひとつおもしろいことを指摘している部分がありまして、本来もともと人類というのは、病気とか、災害とか、そういうものから生活とか命を守るために科学技術を発展させてきたんですけど、しかしながらそれによって作られた新しい科学技術によって、新しいリスクというものが発生する。そうするとその危機を危機管理するために、さらに高度化した科学技術による危機管理が必要になってくる。それにまた新しいリスクが発生する。それは永遠に実はこのリスクってのは続いていくんだっていう指摘がこの中にあるのが非常に面白い論文だなあと思いました」
画像:福田充
だってよ。ガッカリな自己宣伝だね。石器時代に生まれていたら凍死か飢え死にか、別の部族の奴隷になって殺されているかじゃないかな。平凡な社会学者がただただ学歴とIQが自分より上なだけのボンクラ学者に乗っかってるだけじゃないのかね。『いや、システム全体が完全にイカレてるに違いない』。自分と同類の言うことだから話を理解した気になるし共感を覚えるんだろう。
そしてさらにこのおっさんが、グリ森事件についても触れてる。こうだ。
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「こういうようなテロをぼくは社会不安型テロっていうふうに言ってるんですけれども、かなり無差別的に、誰に届くかわからない、誰が被害に遭うかもしれないっていうことを社会全体に恐怖を知らしめていきながら、社会に不安を与える。それによってメディアの注目を集める。そこで自分の犯行声明とかですね、メッセージを発していく」
画像:福田充(グリコ森永事件)(社会不安型テロ)
だってよ。社会不安型テロ。へーえ、あなたがそういうふうに言ってるんですか。おれはさっき書いたように〈プロレス型犯罪〉と呼ぶことにしたんですけれど。
不安はこういう、
画像:刑事部長 四方修 えらいこと 物流部長
気味悪くちっぽけでつまらないおっさんどもが勝手に感じて社会に広めていたのであって、それだってこの、
画像:茶色の記者
マスコミにいるこんな男の恐怖が伝染したに過ぎない。犯人達の方ではそんな気ぜんぜんなかったというのがおれの考えですが。グリコにせよ森永にせよ、警察がまったくアテにできないことがわからなければおかしいんだから、お菓子に毒を入れられたくないなら警察には報せずにサッサとカネを払っちまえばよかったんだと思ってますよ。それが利口だったとね。
犯人達もたとえば天藤真・著『大誘拐』の、
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「何を? 第二放送車?」
井狩が怒号して突っ立った。
「いつそんなものを出した? なぜ我々に無断で出した?」
その声は放送車にもびーんと入ったはずだ。中沢の声は苦しげで、けんめいだった。
「当局が激昂されるのは当然であります。(略)……しかし、事情はまことに止むを得なかったのであります。(略)」
アフェリエイト:大誘拐
みたいな手を何か考えるべきだったのに。考えれば何かできたんじゃないのかね。
と。さて、賭けてもいいんだけれど、このふたり、
画像:越智啓太 福田充
絶対もうあちらこちらで帝銀事件についてだって、
「平沢貞通は無実で事件はGHQの実験だと思います」
と言ってるに違いない。それから周防正行の『それでもボクはやってない』も褒め讃えてるのとちゃうかな。この番組の中でもそうであるように、
《人々はぼくを見て尊敬し、ぼくの考えが正しいとわかってくれて、世界の支配者にしてくれるでしょう》
という顔をして。そしてまた結局のところ青なんとかいうのがエネーチケーのアナウンサーであるがゆえに、自分がルーク・スカイウォーカーでジェダイの騎士になった気でいる。栗山千明と違ってお前の顔なんか、おれは明日に憶えちゃいねーよ、というのがわかっていないから。
画像:青井実
〈コロナの禍〉はこの青……青……青リンゴ実る?のように気味悪く、ちっぽけで、つまらない男にチャンスを与える。社会に不安を与えて恐怖で支配するチャンスだ。という、そんなとこだが『スーパーカブ』の話のはずが、また全然ならないまんまこの長さになっちまったな。どうしてこうなるんだろう。自分でもどんな道を走ってるかわかんなくなってきたけれども、
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「今日はこれくらいで勘弁してあげる。うふ」
画像:スーパーカブ番組タイトル スーパーカブ第6話
というわけで今日はここまで。おれはこれから『マンハント』の7話目を見るところです。それじゃ。
画像:マンハント番組表