端数報告3
去年の4月以降の死者は明らかに例年通りの数字であり、2月・3月の死者数ですら〈禍〉と呼ぶほどのものか怪しい。
そんな話も再三してきた。去年2月に400人が死んだとき、古代進族は揃って、
「400人! それは人類滅亡の危機ということですよね! そうですよね! そうですよね! 誰かがなんとかしなければ! ボクだ! ボクがやらなければ! 何をすればいいか教えてください!」
とわめき散らした。応えて学者どもが、
「検査です! 〈陽性〉と出た人間に、『外に出るな』と命じるのです。それ以外に滅亡を止める道はありません。〈波〉が来たときに我々はひとり残らず死ぬことになります!」
アフェリエイト:人類を脅かす新型コロナウイルス
と叫び返した。正しい質問は、
「400人? それは例年と較べて多いのですか。多いとしてどのくらい?」
であり、
「その点をまずハッキリさせてください。毎年普通に500人も死んでいて、今年はむしろ少なかったなんて後で言われたら困るんだから」
なのだけれども優等生は優等生であるがゆえに必ずひとりの例外もなく早とちりの古代進なのであり、性急で愚かな結論に飛びつく。そうでない者は優等生でない。
画像:もしくは勝手に開けて食べられたらえらいことやしね
この人が優等生である。そして、
画像:加藤譲(肉付けしたいという思いで)
この男が1984年、グリ森事件の際にそうだったのと同じようにだ。自分が古代進になれるチャンスに飛びつく。そして行き先もわからないのに、〈宇宙戦艦ヤマト〉を動かし旅を始めてしまうのである。
彼らは自分が何をしてるかわかっているつもりでいるが、ただのひとつもわかっていない。普通のマトモな一般市民はわけがわからずマスクを着けて歩きながらもただ厭戦感しか持たず、「早く終わってほしい」としか思わないのだが、
「このコロナの〈禍〉というものにちょっとでも自分が肉付けをしたい」
なんて言っていい気な者にそれがわかることはない。
志村けんはずいぶんと悪い時に悪い人が死んだものだが、しかし志村ひとり以外に目立つ死者は出ていない。さて今回におれは最初、
どうも最近のテレビを見てると、たとえば、
「今日は全国で65人の方がコロナでお亡くなりになりました。これで死者の累計は6789人になります」
なんて言ったニュースが翌日、
「今日は全国で67人の方がコロナでお亡くなりになりました。これで死者の累計は7654人になります」
だとか、計算の合わないことを言い出したような感じがするんだけど、おれの気のせいかなあ。
なんて書いたが、どうなんだろう。どなたかほんとに毎日ノートにつけてらっしゃる方はいますか。
おられましたら妙に感じておられませんか。65人が死んで累計6789だった死者数が翌日に67人死んで累計7654人になったとしたら計算が合わない。とか言いながらおれはこいつを確認しないで書いてるんだが、でも確認するまでもなくテレビの言うことがおかしいからさ。
だいたい、察しはついてるんだ。しばらく前からどうも怪しいと感じてたしね。たとえば、2月1日に、日本の死者の累計が2618人だったとするでしょ。
もう人は死んでない。コロナは自然消滅を終え、千人の鼻に綿棒突っ込んでも妖精はひとりいるかいないかくらいだ。しかしそれを知られるのは厚労省としてはまずい。
だから300、400、500。ああ、どんどん増えています! 今度こそ〈波〉が!〈波〉が! 緊急事態を続けなければ地球は木っ端微塵です! とそれまでに増してギャーギャーわめきたてる。人も毎日何十人も死んでるということにする。
大丈夫だ。バレやしない。数字は全部厚労省が握っており、マスコミにも発表をそのまま流す以外のことができぬのだから。でもって今日は63人死んだことにしようかな、というので《63》と紙に書く。
で、累計だ。2618に63を足すと2681だが、これではあまり増えたような感じがしない。
て言うか、なんにも変わってないように見える。だから《2861》だとか、ちょっと多めの数字を書き込み上役の判をもらいに行く。その上役が、
「2861? もうちょっと多くした方がいいんじゃないか」
と言って線で消し、《2961》とか書いてご丁寧にハンコを捺す。役人てのはこういうところでバカ正直なものなのである。
これがマスコミに発せられ、ニュースで、
「今日は全国で63人の方がコロナでお亡くなりになりました。これで死者の累計は2961人になります」
と読まれて新聞にもそう印刷され配達される。これは見つけられたとき、言い逃れできぬ証拠となるものだけど、水増しをする人間がそれに気づくことはない。
なぜなら、水増しをするやつだからだ。最初はあまり目立たぬように少しずつ増やしていた数字は当然、日に500、600と膨れ上がっていくことになるが、マスコミ族や政治家族がそれに気づくことはない。
なぜなら、マスコミや政治家だからだ。けれどもいずれ、このおれという異人種に見られ、
「今日全国で67人死んで累計7654人? 確か5日前くらいに、累計4900とか言っていなかったかな」
と思われるときが来る。
というわけですわ。おわかりでしょうが、これは突きつけてやったとき言い逃れを許さなくできる完全にして絶対の証拠だ。同時にこれまでの話のすべてが嘘なんだろうと言えるもの。昭和の刑事・平塚八兵衛はこのやり方で〈吉展ちゃん事件〉の犯人・小原保を落とした。
画像:刑事一代74-75ページ
画像:刑事一代表紙
これだ。これと同じことが、この証拠があればできる。それほどのものとわかりますね。遂に絶対の証拠を押さえた。これまでおれが書いてきたことを半信半疑で読んできた方もどうぞ安心して人に話してやってください。この証拠を見せられて納得せぬ者はいないはずです。
厚労省の陽性作戦で妖精にさせられてしまい、仕事ができず外に出られず、犬を散歩に連れ出すようなことすらできなくなってる方もきっといるかもしれませんね。大丈夫。これであなたは自由になれます。仲間を集めて〈被差別感染者解放同盟〉とでもいうものを作り、立ち上がって復讐をどうぞお始めになってください。
おそれることはありません。これからは、皆があなたの味方です。「池上彰が間違ったことを言うわけない」とか反論しようとするやつがいても、
「それじゃあ〈波〉は何により引き起こされて、起こると何がどうなると言うんだ!」
と言ってやってください。相手は応えられません。そこで、
「わからないのか。わからないのにどうして〈波〉がいつ起こってもおかしくない状況だとか言えるんだ!」
と言ってやってください。相手は応えられません。〈ミスター・グリコ 加藤譲〉が事件から27年後に、
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「何が事実やったか、何が真相やったか、やり通さな答えがないと言うか、ちょっとでも肉付けしたいという思いで(略)」
画像:NHKスペシャル『グリコ・森永』番組タイトル