第三話 くらしの中で
その三
私の友達や知人の中にはご主人を介護している人がいるが、実情は大変だろうなと想像している。家庭内に病人がいるということは介護をしている者のほうが重荷を背負う。
14年間の私の経験でそのことはよくわかる。
私の場合ほど大変ではないにしても、家族揃って元気な家庭とは全く違う生活であることは間違いない。
独りで生活していると、雨の日などは何処にも行かずパソコンやテレビ、俳句や短歌を作って一日が過ぎる。
幸せそうな家族の記事を見るとさびしい気がするし、大変な状況の人のことを思うと、まあまあの健康状態で生かされている自分は幸せとは言えないにしても、有難いと思わなければいけないのかなあと思う。
作品名:第三話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子