北海道旅行記 二日目
「稚内と言えば魚」という短絡的な考えで、魚料理を食べさせる食事処に入った。
魚の名前は忘れてしまったが、運ばれてきた焼き魚は、身はしっかりしつつも油をたっぷりと含んでいた。
やはり「稚内と言えば魚」である。
すっかりお腹を満たした僕らは、また兜沼オートキャンプ場へ戻った。
バンガローは五人で使うにはもったいないくらいの広さで、持て余した。
バンガローにはソファがひとつあり、そのソファを争奪する目的で、僕らはトランプ遊びに興じた。
誰がソファを奪取したのかは記憶に無いが、少なくとも僕は固い床に寝袋を敷いた記憶だけは残っている。
トランプ遊びを終えた僕らは、散策に出かけた。
上を見上げると、やはり沢山の星々が少し青みがかった夜空に瞬いており、一日の旅の疲れを癒してくれる。
北海道の九月の夜は東京に比べかなり冷え込む。長いこと星を見ていた僕らの身体は完全に冷え切っていた。
バンガローに戻り、寝袋にくるまって固い床に身を委ねる。
今日見てきた美しい景色を頭の中で反芻する内に、僕はいつしか深い眠りに落ちていた。
作品名:北海道旅行記 二日目 作家名:きよてる