詩㉒
紅葉の手は 小さな夢をその手に包む
紅葉の手は 大きな愛情をその手に持て余す
紅葉の手は 温かな体温を離すまいと
紅葉の手は 日に連れ嗄れる
そのか弱く脆い小さな手は この世界を慈しむため
少しの間夢を見愛を呑み
たった1人のあなたに 愛を云ふため枯れゆく
儚き紅葉はあっという間の時間旅行を逝き
最後に何を思うだろう 握った人差し指
走馬灯(おもいで)にはどんなフィルムが映るだろう
小さな手 紅葉は果てに何を掴むだろう
最初の旅支度に十分な夢や愛や温みは ひらいた掌に
零すことなくいれるだろうか