おーまいごっど【完結版】
エピローグ
ここは妹尾家。再びセニョール君の自宅。
「もう、トオルったら、帰って来たと思ったらまた遊びに行っちゃって」
お母さんが、居間のちゃぶ台に晩御飯を並べながら早口で言った。
「トオルのやつ、帰って来たら驚くぞ」
お父さんも缶ビールを握りながら、ワクワクご機嫌である。
「もう先に食べちゃいましょうか。マリちゃん」
「そうだニャー。トオルは放っといて食べるニャ」
「でも、ちょっと見ないうちに大きくなったわね」
「本当に天井に届きそうだな。いっぱい食べろよ」
「いつも腹ペコだったニャン」
「突然マリちゃんが化けて来てくれるなんて、まるで夢のようだわ」
「神様が可視モードのまま忘れてるんニャ」
「もう、あの世には戻らないのか?」
「一度妖怪に化けた猫は、元には戻れないのニャー」
「成仏できないってことなの?」
「それは仏様のお仕事にゃんで、神様はノータッチなのニャ」
「じゃ、毎日会えるの? やった〜」
「声も翻訳モードのまま、忘れてるのニャ」
終わりニャン
作品名:おーまいごっど【完結版】 作家名:亨利(ヘンリー)