おーまいごっど【完結版】
「これはこれは、セニョール君。この災いは自ら招いたものですね。よーく思い出してください」
神様は、杓を見ながら言った。
「なんだよ、勿体ぶってねえで、早く教えてやれよ」
「いいえ、悪霊を退治するのは簡単です。しかし、自分で解決する方が、結果いいってこともあるのです」
「ええ? ビンタの原因がここに? ・・・まったく思い当たらない」
!!!ピーーーーーーー! ピッ!ピッ!ピッ!ピッーーー!
「おお! 悪霊が怒っていますよ!」
セコビッチは後ろに下がった。
「なんで!? なんで怒ってるの!?」
セニョールが困惑した顔で言うと、セコビッチは、
「思い出せ。思い出せ。何かあったはずだ」
「だって、庭に思い出なんか。何にもないよ」
ピーーーー! ピッ!ピッーーーーーーーー!!!
「ほら怒ってるだろ! セニョが何か、やらかしたんだって!!!」
「・・・ダメ!!! 全然思い出せない!」
「バカッ!」
★バチン!
「あ?」
セコビッチがセニョールにビンタした。
「あれあれ、セコビッチさん。取り憑かれてしまいましたね」
「うそ!? ゴメン、セニョ。そん・つもりは・・・」
「ああ、いいよいいよ。これくらい慣れてるから」
笑いながら言うセニョール。
「このビンタの悪霊、相当、念が深いようですよ!」
神様は眉間にしわを寄せて、身構えた。セニョールは地面に膝間付いて、
「ごめんなさい。ごめんなさい。僕が何かしたのなら謝ります。どうか許してください」
ピッ!ピッ!ピッ!ピッーーー!
「まだダメなようです」
「なんだか、悪霊と会話出来てるじゃねえか」
作品名:おーまいごっど【完結版】 作家名:亨利(ヘンリー)