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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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おーまいごっど【完結版】

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第伍話 ビンタの悪霊



「おおお、ここです。ここです。」
 神様が笑顔でそう言うと、セコビッチはゆっくりと自転車を止めた。セニョールは荷台から降りて、
「なんだ、僕の家じゃない」
3人はその家を見上げた。
「セニョの家に悪霊が付いてるのか?」
「そうです。気を付けてください」
「気を付けろって言われても、自分の家じゃ、気が引き締まらないよ」
「そうですか、じゃ、別にリラックスしててもいいですよ」
 セニョールとセコビッチは、ため息をついた。
「なあ、神さんよ。あんたも降りてくれないか?」
「あ、そうでした。歩くの面倒で、つい」
神様は帽子のつばを掴んで、ひょいと地面に飛び降りた。

 セニョールが玄関の引き戸を開けようと、
「ただいま・・・」
「ああ! そっちじゃありません。こっちの庭の方から霊気が漂って来ます」
神様は、ネクタイの杓を手に持って、それを宙にかざすと、

ピーーーーーピ、ピーーーー!

 何とも間の抜けた機械音が鳴った。
「今度は、悪霊探知機か何かかよ」
「よく解りましたね。その通りです。敵は近いですよ」
3人は恐るおそる庭に入った。神様は慎重に歩いているが、セニョールは普通にいつもどおり。セコビッチは庭の入り口で立ち止まって様子を見ている。

ピピピピピピぴピピピピ、ぴっピーピピ!

「ほーう、ほ。ここです!」
神様は、庭の一角に立ち止まり、地面を指差した。
「ここに何があるって言うのさ」
それを聞いてセコビッチもようやく近付いて来た。そこは縁側に面した中庭で、小さな日本庭園のような造りになっていた。神様が指差す周辺には、沈丁花の木が植えられており、それ以外は特に何もないように見えるのだが。