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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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狐憑き

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 刈った草の中には、獣の毛や骨が散らばっておったそうだ。棚田の段の下の斜面には小さな巣穴があったので、それはどうやらキツネの死骸のようだった。
 しかも、そのキツネの骨の周りには、もっと小さな死骸も散乱しておったそうだ。
 そのおじさんが、前に草刈りをした時に飛び出した母ギツネが、なんとか子ギツネの待つ巣穴まで帰って来て息絶えたんだろう。腹をすかした子ギツネたちも巣穴から出て、母ギツネの周りで死んでしまったのだろうな。

 皆でその畦に祠を作り、キツネの親子を丁重に弔ったそうだ。

 それからすぐ、キヨコさんは元通り、元気になったという。


     了
作品名:狐憑き 作家名:亨利(ヘンリー)