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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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sakura

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校長室に呼ばれたさくらは、さくらが男子生徒の頬を平手打ちしたことの謝罪に追い込まれていた。
 放課後の時間下校時間の見回り中の出来事である。まだ教室に残っていた男子生徒3人に
「下校5分前ですよ。早く帰りなさい。残るなら担任の許可を受けなさいよ」
「先生は現代文を1年生に教えているんですか」
「そうよ」
「村上春樹の作品は好きですか?」
「読んだことはあるけれど」
「先生お勧めの本は『エロ本ですか』俺たちにはサイコーだね」
 そう言いながら、さくらに近寄って来た生徒が、よろけて前のめりになりながら、さくらの胸に手を当てた。
「ラッキー」
 その言葉にさくらは怒りを感じ、故意であると判断し、平手で頬を殴りつけた。生徒が反抗すれば、さくさが敵う訳がなかったが
「暴力は駄目でしょう」
 と男子生徒は言った。その言葉は勝ち誇ったような態度であった。
「担任に報告しますよ」
「いいです。僕は校長に言いますから」
 さくらが担任に報告する前に、生徒は『机に躓いて先生の胸のあたりに、手が触ったようですが、自覚はないです。それで、先生が殴ったんですよ』と校長に告げたのだ。
 どちらを校長は信用するかと思えば
「暴力は絶対にいけません。前島君の行動は不可抗力ですから、女性の大切な部分に触れたことは遺憾ですが、それで怪我を免れたのですから、ここは、先生が謝れば済む問題ですからね。穏便に済ませませんか」
「それでは私の気が済みません」
「2人の生徒も前島君の言ったとおりだと、証言しましたよ」
 さくらは納得しないまま、生徒に
「前島君許してください。下校時間の見回りのことが頭にあって・・」
「僕の方こそです」
 校長室を出た時にはさくらは退職を考えていた。             
作品名:sakura 作家名:吉葉ひろし