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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 5 たっぷり時間はあったのに

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エピローグ



 春樹が大学に来ていない。恵美莉は、いろんな悪い想像を巡らしながら、彼のワンルームまで全力で走った。
(どうか・・・どうか、罰が当たってませんように)

 カチャカチャ・ガチャン

「春樹君!」
 恵美莉はその部屋に駆け込んで叫んだ。

「え!? え? な・に?」
ベッドの上で布団にくるまる春樹が、驚いた表情で恵美莉を見ていた。
「へ? ・・・何してんのよ?」
その状況に、その空間はまるで静止画のよう。

「部屋に入る時はピンポン押してくれよ。ビックリしたぁ」
「いつまで寝てんのよ!」
「あ、もう昼過ぎか、ヤバイ! プラモ持って行かなきゃ」
「え? コンクールの締め切り昨日でしょ?」
「へ? 何言ってんの、今日だよ」
「だって、日曜日に店に持ち込めば間に合うって、言ってたじゃない」
「だから今日だよ」
「・・・あんた気は確か!? 今日はもう月曜日よ」
「ははは、からかってんのかよ」
「違うわよ、あんたが授業に来ないから、心配して来てやったのよ」
「え? うそ?・・・ほんと?」
春樹の作業机の上に被せられた衣装ケースと除けると、それは見事な二次元アニメ塗装のガンダムが立っていた。
「ふーん。こんなふうに出来上がったのか。これは実にスゴイね」
「だろ」
「でもコンクール締め切りには、間に合わなかったわけね」
「いいや、寝る前は土曜の夜中だったんだ。徹夜続きで作ったから、少し寝て朝になったら持って行くつもりで・・・」
「そのつもりで今までずっと寝てたの!?・・・30時間以上爆睡で。どんだけねぼけてんの!」
「せっかく完成したのに・・・」
恵美莉はベッドに飛び乗った。