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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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僕の弟、ハルキを探して<第二部>(改訂版)

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あの日に始まった闘いは、すでに三日続いていた。補給部隊からは食糧や兵器が毎朝送り込まれ、僕たちは疲れや傷を負ってはそれを癒し、それぞれのギフトや手に持った銃で敵を打ち倒し、闘い続けていた。そして、ある者たちは戦場に伏した。戦友を悼む時間など無く、僕たちは彼らを残し、また立ち向かった。




「はあ…はあ…」

僕はその時、右腕と腹を切り裂かれて、血が噴き出るのを吹雪に治してもらっているところだった。吹雪の周りにはギフトを持った者が二人と、銃を構えた兵士が五人付き、僕の治療が続けられていた。

痛い。苦しい。痛い。でも、早く僕が戻らないと。僕は朦朧としている意識で必死に自分を取り戻そうとしながら、岩の上に横たえられていた。

「あと少しです!後方異常はありませんか!」

吹雪が叫んでいる。

「こちらに三体迫っています!発射!」

「俺の力に適うかよ!ミンチにしてやるぜ!」

そう叫んでいるのは、ジョンだろうか。

乱射される銃撃音が衝撃を生み、モンスターの唸り声や肉の引き裂かれる音、途中で倒れたのであろう咆哮のような悲鳴が聴こえてきた。少しずつ重く大きな足音が迫り、それが兵士たちの攻撃を凌駕していると、僕は直感で悟る。

戻らなくちゃ。早く。早く。戻って消さなきゃ、全員が死ぬ。

「間に合わない!大きすぎる!」

一人の兵士がそう絶叫した。

僕はそれまで横になっていたけど、「間に合わない」という台詞に急いで起き上がり、右腕を伸ばして残りの力をすべて注ぎ込む。

次の瞬間にはもう、モンスターは悲鳴や呼吸を存在ごと消され、何も残らなかった。戦場全体を揺らす地響きや悲鳴が遠くから聴こえ続ける中、僕たちの戦場だけはふっつりと音が途切れる。その場に居た兵たちは消えたモンスターに驚き、硬直していた。

でも彼らはすぐに僕を振り返って、口々にお礼を言ってくれた。

「お兄様!助かりました!」

「ありがとうございます!」

僕はそれに返事をしようとしたけど、腹から血が噴き出し続けていたのに起き上がって力を使ったことで、その場にバッタリと倒れ込んでしまった。でもその時、僕は見た気がする。遠くに青く光る、少年の姿を。