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続・くらしの中で

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付き合いの位置付けをする人 その一


人との付き合いに負け勝ちを考えるのは可笑しいが、ときどき私負け組なの?と思うことがある。
自分を取り巻く繋がりはとても少ないが、その狭い中で経験するケースをかなりシビアに冷静に分析しつつ、ポーカーフェイスの付き合いをしている。

例をあげるといくらでもあるが、ーその1として最近の場合ー
ほとんど自宅には来ない家の近くの御仁が居て、先方は付き合いの相手を位置付けで区別している。推察するに、私がされている位置付けは役に立ってもらう対象の人のようだ。

もし私に同居の家族がいたらそのような無駄な繋がりは無いと思いつつ、先方の戦略に乗っている自分がいる。終日誰とも話さない日が続くこともある暮らしの中で、先方の家に行くと多少なりと相手をしてくれる。

おしゃべりが好きだというので誰が来ても受け入れる人だ。

先日私の家の塀から見える白い花桃がとてもきれいで毎日楽しませてもらいましたと言うので、邸内の庭の花を見にお出でなさいと呼び入れたらすぐにやってきた。

暫く庭石に腰かけて話していると、「いつでも良いからFスーパーへ行きなさるとき連れて行ってもらえんやろか」と仰るので、私は即座に明日にでもと即答してしまった。いつものお人良しが亦出たのだ。

Fスーパーというのは自転車では遠すぎる距離にありタクシーに乗ればかなりの費用がかかる。友達が3人で乗り合って行かないかと誘われたが、自分はKさんに連れて行ってもらうからと断ったという。
Kさんとは私のことだ。

時々そういうお願いをされるが、時間が空いていたら暇なので連れて行くことにしている。昨日は次いでに先日行ったダム湖の桜を見せたいとの思いで、ダム湖まで足を延ばしてみない?と尋ねた所、しんどいから行かないという。体がすごく疲れやすいので2つのことをする気力が無いと言う。

買い物だけで疲れるならすぐ帰りましょということで連れて帰った。
先方は車庫を出ると、「今日はお世話になりありがとうございました」と他人行儀な御礼を言って帰った。


作品名:続・くらしの中で 作家名:笹峰霧子