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続・くらしの中で

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その二


思い返して思うに、バーチャルでは礼節のある文章での交流をした人のみ今も続いている。個人的に繋がりができると感情が入りきつい言葉を投げかけられでもすればSNSでの良いイメージはすっかり壊れてしまう。

芸能界でも家庭のことをあまりにもオープンにするとファン的な気持ちがなくなる。それと同じで、もう少し知りたいという気持ちが相手を自分のイメージで実際とはかけ離れた理想の人物に作り上げるのだ。

とすると、個人的な環境や感情をあらわにするのは良いイメージには繋がらないということだ。

男性の場合、作品を書いていなくてもお互いの感情はわからないままラインとかで繋がっている場合がある。どういう仕事をしているのかも知らずSNSにアップされた友達との写真だけ見て親しみを感じる。

十数年もお互いの日記を読み、コメントを書いているとひととなりは把握できるものだ。かといってお互いの領域には踏み込まないというエチケットを守っていればどちらかが死ぬまで続き得るものだ。

女性の友達の場合は電話で話をしているのでお互いの生活環境も知っているが会ったことはないのである。でもとても親しい気がしている。

きれいな文章に惹かれて友達になってもらい親しくなって退会された後も電話で話すようになった女性がいるが、多分会うことは無いと思う。何年続くのかわからないけど切れることもないと思う。


リアルでは嫌なことがあると付き合いが切れる場合がある。若くもないし女優さんみたいにきれいでもない同士なので良いイメージを作りようがないから切れてもすぐに忘れる。現実に会う人とはそういうものだ。私はそれを生の人間と呼んでいる。

いつまでも心に残るのはもっと知りたいと思いながら付き合い、いつしか消えた人だけのような気がする。
それは若い時に結ばれずに終わった人にも似ている。


 完
作品名:続・くらしの中で 作家名:笹峰霧子