続・くらしの中で
その二
数年前まで今は亡き恩師が息子家族と横浜に住んでおられた。私との関わりは小学生の頃お世話になり、最近では妹のような存在とも言ってくれた先生だ。
亡くなる数年前に、これからは年下の人と話すわ。あなたとも度々話したいわねとおっしゃった。そう言いながら先方から電話が掛かったことはなく、私から掛けるとしゃべるわしゃべるわ、止まらないのである。
わが街にある実家で法事があると家族連れで来られたことがあった。わがやにも家族で立ち寄られ、帰り際に車の窓からさよならと泣きそうな顔をして手を振られた光景が頭に焼き付いている。
その時これが最後になるのではとの予感がした。もっと再々電話してあげれば良かったなと寂しく思う。