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続・くらしの中で

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その二


私の親戚はどういうわけか、息子家族に優しくされた者は少ない。
その一例として、叔父の家のこと。
相当な金をつぎこんで医師にした子、都会に家を建てた際相当な前金を出したという息子が二人いたが、どちらも嫁をもらった途端寄り付けない状態になって可哀そうな老後を送った。

もう一つの例では、同じ家に住みながら母親の部屋との仕切りを作り行き来ができない状態で亡くなった私の母のいとこがいる。


私の今住んでいる敷地の一部を母亡きあと改築して借家を作った。
母の住んでいた別棟の家屋だが、母も夫も亡くなって寂しい屋敷になったので、夫が亡くなったのを機に前々から考えていたことを実現させたのだ。

最初の入居者は女児が二人いる若夫婦で、子供が幼稚園から小学校になるまで休みになる度に嫁は子供を連れて実家に帰っていた。ほぼ一ヵ月ぐらいだ。嫁というものはやはり実家に帰って母親の元でゆっくりしたいのだろう。


私の友人の娘は葬儀屋に嫁いでいるが、友人は娘夫婦に食事やドライブに連れて行ってもらっているという。その娘夫婦は嫁ぎ先の母親と同じ敷地に住んでいるがどうなんだろう。

逆に夫が医院を開業している場合は嫁は実家にも行けないと言っていた人もいた。自営業で実家にはほとんど帰れない娘を持つ場合は、兄弟が跡を継いでいる場合が多いようだ。


私の家の近くには離婚をして子供二人を連れて帰った娘と同居している家族がいるが、今は孫も大学生になりお正月には四人で初詣に行っていた。70歳になる母親は賑やかな老後で幸せそうだ。

立派な息子を5人も育て、長男の家に住む為に家を売って行ったは良いが、たらいまわしにされた挙句今は施設に入っているというケースもある。

何が良いか悪いかはわからないが、親も自立しなければいけないということだ。

私の場合、二人の娘それぞれが私と一緒に住みたいと思っているようだが、独りは神戸にいるので、今の広々とした庭のある屋敷を離れたくないと伝えてある。
もう一人は海外で仕事をしていて10年後退職したら地元へ帰ると言っているが、私はそれまで元気に自立して現住所に居るだろうか。


  完
作品名:続・くらしの中で 作家名:笹峰霧子