続・くらしの中で
その二
前章の女性の根性にはさすがの私もたちうちができないと思った。
今回の話はそういう現実で自他共にはっきりしているやりとりとか行動ではない。
初めに書いていたように、表面は何ら変わりなく事が進んでいるかのような場合に生じる気持ちの伝動だ。
これは一方が表面的の場合は、自分の心だけに生じている反感だと思うが、最近この心に貯めている反感の感情が相手にも伝わっていることを確信するようになった。
ものの本に書いてあったからというだけでなく、そういう心の動きは信じられると思うようになったというわけだ。知恵のある人は一言、もしかして一瞥で相手の心が見抜けるのだろう。大勢の人との出会いで苦楽を経験し隠された他人の心が読み取れるのは素晴らしいと思う。
心理学や仏教の本を理論として学んでも必ずしも心を読み解く知恵は持てない。やはり人生の苦行を舐めて生きて来た人の知恵は凄い。
そういう意味では学歴、地位が高いことのみのプライドで他人と接している輩にはわからない知恵ではないだろうか。
完