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続・くらしの中で

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その二


リフレインする人が傍にもう一人いる。
悪い人でもなく好きな人でもないが、ときに有難く、ときに鬱陶しい。

先日蜜柑の採り頃を聴くために電話をしたら見に行くと言って久しぶりにポンカンの木を見に来てくれた。これはとてもありがたいことなので三年前から言われる通りにしているから今年は半分ぐらいは去年の倍ぐらいのサイズになっている。

木も風通しよく支柱をしたおかげで虫が付くこともなく、肥料も木から少し離して遣ったし、夏にはホースで1時間ほど地下水を噴霧したので立派な中木に生長した。
実が生り始めてからの数は恐らく200個ぐらいあっただろうが、三、四回の摘果でこれほどの見事なポンカンになった。指導者がいなければとてもこれほどの成果は得られなかっただろうから十分に感謝をしている。

その指導者が来始めてから、「要らんこと言うて・・」という言葉を何百回聴いただろう。そのたびに私は心から、そんなことありません、お蔭で助かっています感謝しています。と返事してきた。

この間もこの言葉がリフレインされた。
私は一回目の言葉には上記のお礼の言葉を返したが、後の数回は微笑みで無視した。
やはりそのリフレインは五月蠅い(うるさい)蠅が目の周りに飛んでいる感は否めない。


 完
作品名:続・くらしの中で 作家名:笹峰霧子