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続・くらしの中で

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その一 会話でリフレインをする人



今まで生きて来た中で、会話中に言葉をリフレインする人が二人いた。
一人は最近付き合いが終っている親しかった人だが、長年仲が良かったころは話し始めたら電話でも、会っても何時間も話していた。

だが一つ気になることがあった。もう何年も前から、一度言ったことを繰り返していうのだ。数えてみたら八回リフレインしていた。

他の人と話すと一回の話が交互に交わされて話は続いて行くものだ。一度聞けばその内容は把握できるので繰り返す必要はなく、話している相手も同じ脳を持ち合わせている人はそのように話は進んでいく。

それなのに何で何度も何度も同じことを言うのだろうと当時から気になっていた。トラブルがあって交際が途切れ音沙汰のない三年間が過ぎたころ、元気らしいとの噂を聞いたので電話をしてみた。

三年の月日が帳消しになるほど別れた当時の感情のままに反発してきた。それでもたまにではあるが電話をする私も未練がましいが、仲良く話していた雰囲気が残っていたので懐かしかった。まるでヤクがすっかり切れていないかのように何度か電話をした。

三度目、四度目には気楽な話ができるようになっていた。先日性懲りもなく五度目の電話をしたときのこと。別の話をしていたにもかかわらず、別れた時の鬱憤を思い出したのか当時の話を持ち出した。それも何度も何度も自分の正当性を主張する弁解だった。

やっぱりリフレイン癖は続いてるんだなと思った。
こういう癖はどんな脳、精神状態から来るものなのか専門家に聞いてみたいところだ。
電話もリフレインしないよう、今回で先方との電話での付き合いを終わりにしようと思っている。


 

作品名:続・くらしの中で 作家名:笹峰霧子