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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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シロアリバスターズ

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エピローグ


 その日の作業が終わり、後片付けを終えるともう4時半になっていた。植村は戻って来た営業車に小寺と岩田と乗った。アルバイトは一人で倉庫に帰り、作業用バンを片付けるのだ。
「今日はありがとうございました」
何とかの子供の迎えの時間に間に合い、主婦は幼稚園に向かう準備をしながら礼を言った。
「それじゃ、失礼しまーす」

 営業車の中で小寺は、
「また契約取れたぞ。すぐ近くだ」
「消毒はいつ?」
「金曜」
「OK。その日、今日の分の集金に俺も来るから。今日の一軒で16万儲かったからな」
植村も嬉しそうに言った。
「この周辺でフィーバーかかりそうだな」
岩田がそう言うと、小寺は、
「お前、ラリってばかりで全然営業してないだろ!」
「今日、点検しただろう」
「いつ? してないだろ」
「換気扇持って来て、床下点検したぞ」
「それ、取付工事のことか?」
植村が後部座席の岩田を振り返って見ると、目は完全に逝ってしまっている。
「だめだこいつ」
植村は前を向き直して、ダッシュボードに置かれた小さな段ボール箱を手に取った。そして恐るおそる、隙間から覗き込みながら、
「ところで中のインコはなんだ?」
「飼おうと思って」
小寺がニヤニヤして言うと。
「パクって来たな」