八九三の女
[裏街]
表があれば
裏があるように
物事は表裏一体
だが去る者は追わず来る者は拒まず
の、この街は裏しかない
昼夜関係なく
繰り返される狂喜乱舞の酒池肉林
飲食店、遊技店、風俗店が軒を連ねる歓楽街
肖り、集り、組同士が鎬を削る
質屋、金貸し屋がお零れを拾う
真面な人間なら足を踏み入れない
真面な人間じゃなくとも足を踏み入れない
自分の身を守れない奴は食い物にされるのが、関の山
禄でもない奴等が集まる、街
表の人間達は
快楽のみに生きる、裏の人間達の事を
表の世界では「役に立たない人間」と称して「八九三」と呼ぶ
語源由来辞典より
めくり骨牌の一種で
「三枚」というカブ賭博に由来する
「三枚」は
手札三枚の合計が十、又は二十になると無得点になる
「八・九・三」の組み合わせは二十で無得点となる為
その組み合わせを「やくざ(八九三)」と、呼んだのが始まり
その意味が転じて
役に立たないモノや価値のないモノを意味するようになり
遊び人や博徒等、真面ではない者を「やくざ」と呼ぶようになった