詩⑲
自己犠牲で命を削ってでも 誰かを幸せに出来るのなら
毎日でもナイフを心に宛がおう けどそれは自己満足に過ぎなくて
他者が私から得る満足度は 呆気ないもので
綺麗事が馬鹿らしくなった 晴天の冬
けれどもひとつ気付いたことがある
自己犠牲は命を削るのでなく 自分の持ちうる幸せを
ほんの少し人に分け与える行為ではないか
無意識的に ネガティブに 自己犠牲と名付けて
悲しんでた今日も呆気なく感じて
分け与えたくなるほど心に溢れる幸せに
微笑みながら 押し付けがましく明日も明後日も
誰かにこの持て余した幸せを分け与えたいのだ