本当にあったゾッとする話10 - ヒッチハイカー -
私は老境に差し掛かってから大型二輪免許を取得し、趣味で大型バイクを乗り回している。学生時代の一時期、原付バイクに乗っていて、あの走ると言うよりは地上70センチを飛んでいる感覚が忘れられなかったからだ。
私がまだ原付バイクに乗っていた頃、20歳になるかならないか、という頃だったと思う。
ある日、私はバイクで出かけ、帰る頃には深夜になっていた。家まであと5分程度という所まで来たところで、赤信号に引っかかった。普段から人通りが少ない場所で、しかも深夜だ。歩行者がいるはずが無い。私はいったん止まってから周囲を見回し、誰もいないのを確認してから、赤信号を無視して走り出した。今思えば、若気の至りで片付けられない愚かな行為だったと思う。
走り出してすぐに、街路樹の陰に隠れて見えない脇道から、1台の白バイが出て来て、私は止められた。そして、私は信号無視で切符を切られてしまった。
翌日、当時付き合っていた彼女に雑談のついでにその話をした。
その彼女は私の中学時代の後輩だったが、当時の市長の娘と中学校で同級生だった。彼女は大学で放送研究会に所属しており、それら諸々の関係で、以前の市長の選挙の際に、ボランティアのウグイス嬢として、選挙活動の手伝いをしていた。
私が信号無視で捕まったという話を聞いた彼女は、すぐに元同級生の市長の娘に1本の電話を入れた。
そして、私の信号無視は無かったことになった。
今は知らないが、数十年前の、市内における市長の権限は、絶対的なものだったようだ。
因みに、その彼女とはその後別れてしまったが、彼女は現在、企業向けの教育コンサルタントとして自分の会社を興し、有名経済評論家とも親友となり、社会的に大活躍している。
私がまだ原付バイクに乗っていた頃、20歳になるかならないか、という頃だったと思う。
ある日、私はバイクで出かけ、帰る頃には深夜になっていた。家まであと5分程度という所まで来たところで、赤信号に引っかかった。普段から人通りが少ない場所で、しかも深夜だ。歩行者がいるはずが無い。私はいったん止まってから周囲を見回し、誰もいないのを確認してから、赤信号を無視して走り出した。今思えば、若気の至りで片付けられない愚かな行為だったと思う。
走り出してすぐに、街路樹の陰に隠れて見えない脇道から、1台の白バイが出て来て、私は止められた。そして、私は信号無視で切符を切られてしまった。
翌日、当時付き合っていた彼女に雑談のついでにその話をした。
その彼女は私の中学時代の後輩だったが、当時の市長の娘と中学校で同級生だった。彼女は大学で放送研究会に所属しており、それら諸々の関係で、以前の市長の選挙の際に、ボランティアのウグイス嬢として、選挙活動の手伝いをしていた。
私が信号無視で捕まったという話を聞いた彼女は、すぐに元同級生の市長の娘に1本の電話を入れた。
そして、私の信号無視は無かったことになった。
今は知らないが、数十年前の、市内における市長の権限は、絶対的なものだったようだ。
因みに、その彼女とはその後別れてしまったが、彼女は現在、企業向けの教育コンサルタントとして自分の会社を興し、有名経済評論家とも親友となり、社会的に大活躍している。
作品名:本当にあったゾッとする話10 - ヒッチハイカー - 作家名:sirius2014