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悩める熟年世代、VRゲームにハマる!

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諦めてログアウトを押そうとした時、竹内は思い付いた。清十郎のダークサイドな価値観について、それがゲーム攻略のヒントになるとしたら

黒魔術やブードゥー教には、恵を得ようと思えば、何らかの生け贄を捧げるのが慣例になっている。イスラム教でも殉職はあの世の天国にいけるとされている。


たとえば命を捧げるなら、『 あの世』への扉が開くとか

竹内は意を決してマントを脱ぎ捨てた。高いところから落ちる恐怖に比べたら、視界に何も見えないのだから怖く感じなかった。

思い切ってマントを脱ぎ捨てた竹内。
だがその瞬間、GAME OVERの文字が視界に現れる。その文字の下には、数字のカウトダウンが始まっていて、コンテニューするか、ログアウトするかの二つの選択肢が現れる

竹内は、これが初めて経験するGAME OVERだった。今まではHPが0になる過程の痛みに恐怖して、GAME OVERになる前にログアウトしていたからだ。
なのでコンテニューを押したら、どうなるのか気になる


コンテニューを選んだ竹内はHPが半分の状態でマントを装備したまま、その場から再開した。
ホット胸をなで下ろした竹内。最初のダンジョンから始まってしまうだけならまだしも、、マントを失ってスタート地点に戻るとかなら、清十郎さん申し訳ない。

竹内は再度白い世界を見渡しながら、思った。

命を捧げるのはやりすぎったか? なら血を生け贄にするのはどうか?
しかし、竹内は鋭利なものをもってない。
惑星までもどって、石とかで傷をつけるか?
それは面倒くさい。

ここでコンテニューできたのだから、ここで解決できるのではないか?


何を捧げるか?

神様にささげるもの
かみさまに捧げるもの

そういえば神という漢字は
ネ申
ねもうす。寝申す

まさかの? 寝ること? 寝ている隙に神が自分をどこかに運んでくれるのかな。それとも寝ている間にイヤラシイこととかを


女の命は髪というし、案外ギャグっぽく、神=髪
だったりして

時間の都合上、寝るより髪を抜くことにした。

一本ぷちっと引き抜き、神様にお願いする

嗚呼、神様! たいして若くもない毛ですがどうですか?
ご不満とあらば下の毛も……

瞬間脳裏によぎるものがある。神の意志が降りてきた感覚を得た竹内。優しい何かに包まれた気分で、神の意思を承った。

「清十郎さん、次に何をすればいいかわかりましたよ。」
そうつぶやき、竹内はログアウトした。




【後書き】
この小説に飽きてきたら是非とも試して欲しいことが有ります。飽きたら作者の別作品ヤクザとVRの話を読んでみて、もう一度こちらに戻って来てみてください。もしかしたら面白さが増すかもしれません。片方の小説が飽きたら、もう一方の小説が面白く見えてくる。そんな不思議法則に陥った読者がいたら是非とも、感想をください。何処から読み初めて、何処で飽きたかの報告をしてもらえると、作者の勉強になると思うので、次回作の参考にさせて頂きます


------------------------- 第8部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
あきらめる父

【本文】

清十郎は竹内の占いを参考に次に何をすれば良いのかを教えてもらった。

やることはプレイヤーが二人一組になり、宇宙の壁につっこむこと。
一人で宇宙の壁に突っ込んでも、宇宙は一緒に引っ張られてついてプレイヤーのうしろを来るだけであり、その先の黒い点(ゴール)には辿りつけない。
しかし、反対側の宇宙の壁も、もう一人のプレイヤーが突っ込むと、宇宙は内側から外側へ引っ張られるカタチになり、宇宙は膨張して破裂する。すると、黒い点(ゴール)の世界にいける。


竹内から聞いた話を実践する前に、もう一つのマントが必要になるだろう。しかし、ダンジョン内で見つけたアイテムは使うと復活しないみたいで、探せばもう一つマントが隠されているのか。あるいは広い宇宙から、探さないといけないのか。


二人にはマントを探す課題が発生した訳だが、そのマントを最も手軽に手に入れる方法を二人は知ってる。ネットオークションで買うのだ。
探すのが面倒なら買うしかない。マント探しに竹内の占い師のスキルを使ってもヒントはなかったから買うしかない。

しかし、ネットオークションの金額を見て二人は驚いた。1000万円である。

魔法のマントは特殊レアアイテムであり、端末一つ、ログインID一つにつき、一つしかゲーム内で手に入らない仕組みになっている。新しく端末を買っても、端末が脳内ニューロンパターンを認識、識別してゲーム経験者かどうかを判定し、そのゲームではマントが出現しない。

つまり、手に入らない。

知り合いの経験者を探してマントを貸してもらうとしても、1000万円もするものをおいそれと貸してくれるとも思えない。

清十郎と竹内は、コツコツとマント探しする旅に出るしかないのであった……


------------------------- 第9部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
攻略サイトに頼る父

【本文】
清十郎は攻略サイトで調べた。
魔法のマントはダンジョン内に一つあり、残りはダンジョン外にあるとされ、どこにあるかはランダムで決まるそうだ。

清十郎は一旦マントを探すのを諦める事にした。ダンジョン外は宇宙を含めて膨大であり、探していたら他を楽しむ余裕がなくなる。

清十郎は獲得したアイテムの紐に疑問を持った。擦ると伸びる引っ張れば縮む。この紐を伸ばして、ダンジョンから降りる為のハシゴの様にしたとしても、身体の重みで紐は引っ張られ、縮む。ハシゴとしては使えない
ではこの魔法の紐(ロープ)は何に使うべきものなのか。

「竹内さん、どうですか?」

竹内はしばらく考えて、「たとえば無限に擦ったら、宇宙の果てまで紐が伸びて壁を突き破ってしまう。なんてことありますかね?」

試しにマントを装備して擦るが、紐に対してマントの力が発揮されない。高速に擦れるが紐は伸びない。魔法アイテム同士は性質が同じだから打ち消し合うとかか?

竹内
「そういえば科学の実験だと、擦って静電気を発生させる場合、違う物質同士を擦らないといけないんです。」


「竹内さん。やけに詳しいですね。」

「はい、実は高校で先生してます。静電気実験では、
同じ物質だと物質の持つ電子数が同じになろうとして、電気が安定しようとして熱を生み出す、その代わりに電気が放出しなくて……」

「竹内さん、ちょと難しくて分からないので、結論をお願いいたします

「プラズマが紐を 成長させます。電気に反応して紐が伸びてる可能性がありますので」

「では、電気を、生み出せばいいのですね」

と、いっても清十郎は思いつかなかった。

竹内は生徒をなだめるように問いをだした。
「清十郎くん、無限大のエネルギーが発生してる自然現象ってわかる?」


------------------------- 第10部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ブラックホールと回答す父