悩める熟年世代、VRゲームにハマる!
清十郎達には、まだ言っていないが、モンスターのパトロール隊を結成していて、定期的に、街の見回りをして治安を監督している。以前に向井の目の前で人がドラゴンに喰われた出来事があった。たまたま、その場をパトロールしていたゴーストの一人は、プレイヤーの死体をつまみ食いしたそうで、ドラゴンと結託して人間を襲っていた訳では無かった。人間は助けるべき存在として教育を受けていたから、そのゴーストは向井を助けて、住処に運んだ。向井と一緒にいた根岸という男もついで住処に運んだ。
人間を助けると、どういう良い事があるのか、噂では知っていたものの、実際に体験してみと良いものであり、人間の指は器用にゴーストのツボを刺激する。ゴーストはもふもふモフモフされる快感を生まれて初めて知り、人間の虜になるのである。
それ以降、ゴーストパトロール隊は、人間を保護する活動に重点を置く様になり、人工知能が用意した悪のプレイヤーと善プレイヤーの殺し合いは、パトロールするゴースト達によって仲裁され、人工知能の計画倒れに終わった。
------------------------- 第63部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
向井と安井と根岸と他……
【本文】
ゴーストの住処には、救助されたプレイヤーが多く集まっていた。
安井もその場にいるのだが、安井は死んでたどり着いた訳ではない。竹内の支援にて、NPC(プログラムキャラ)を遠隔操作して、ログインしていた。
安井は死んだプレイヤー達から麻薬密売の情報を引き出す為にここにいる。
安井はゴーストに、プレイヤー達の心を読んで貰い、情報を引き出した。
その際、ゴーストは根岸から、強い神々しい気配(神に似せた魂の作用)を受け取った。テレパシーにて根岸の記憶を解読して、根岸が清十郎や自分の事、あらゆる事を知っているのに驚いた。
ゲーム内でイレギュラーな存在であることを知り、また気配の神々しさから神である可能性を信じた。
根岸はモンスターたちと同じように空腹を感じていて、それに伴い衰弱していた。
試しにゴーストは自分たちの餌を根岸に与えた。
根岸はネズミ型のモンスターを食べた。しかし、根岸は衰弱していくだけだった。
根岸は死ぬ前に遺言を残した。
「来世、生まれ変わったら、また同じようなオーラを、発すると思うから、その時は、また見つけて下さい」
根岸は死んだ。
根岸の魂が浮遊する。
魂は放置していると、いずれ消える。
根岸の説では黒幕の宇宙人が回収した結果、消えるのだという。「もしかしたら、魂を握り締めていると、魂がテレポートする影響を受けて、握ってた人は黒幕の居場所に連れてってくれるかもしれない。黒幕に会いたい人はお試しあれ」
率先して、手を上げたのは向井だった。
向井と手を繋いだ人間もテレポートの影響を受けるかも知れない。好奇心あるプレイヤー達が向井と手を繋ぐ。安井はプログラムキャラを使ってるので、安全は保証されているから、安井も手を繋いだ。
かくして、安井と向井とその他大勢が、好奇心で宇宙の独裁者の元へと飛んだ……
結論から言うと、飛んだ瞬間から、安井のキャラは分解され崩壊してしまった。向井を含めたプレイヤー達も魂の通り道にサイズが合わずに、バラバラに砕け散って吸い込まれた。
黒幕は、その魂をどんな器に入れようか迷った。
黒幕は悩んだ、悩んだ挙句に決めたのは
「さっちゃん」である
小学生にも関わらず、ホストに小便を口移しで飲せようとするそのセンス、、どうなるか見てみたい。
------------------------- 第64部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
黒幕視点
【本文】
黒幕「( ´∀`)あははははは!」
黒幕仲間「凄い爆発でしたね(笑)」
黒幕「まさか、あのタイミングから天界に来ようなんて考えるなんてな。根岸というキャラ、行動が斬新過ぎる!ww」
黒幕仲間「私達の予想を見事に裏切りましたね」
黒幕「予想だと根岸は死ぬ前に童貞人生な自分に絶望して安井をレイプする筈だったのだが!」
黒幕仲間「私も、てっきり、安井、及びその他のプレイヤーをチェーンソーで切りつけると思いましたもの」
黒幕「うむ、皆の者がパニックする姿、また血なまぐさい凄惨な現場を見れると思ってた期待してたのにな!」
黒幕仲間「ええ、期待を遥かに裏切って、もっとスゲェの見せてくれましたね!」
黒幕「ああ!、素晴らしい肉体の爆発だった!!」
黒幕仲間「魂を握った者(プレイヤー)は魂と共に霊道(魂の通り道)を抜けようとするなんて、私達も知らない事でしたね。」
黒幕「だな。わたし達も想像が及ばない事が、ゲームで起こってる」
黒幕仲間「全ては人工知能のおかげという事でしょうか。」
黒幕「そうかもしれんな。最近の人工知能は私達が思う以上に優秀になってきている。我々の思考の先を読んで対応してくれている」
黒幕仲間「それに比べて地球の人工知能(藤井)は、まだまだですね。いつになったら、地球人と力を合わせる事を学ぶのか。」
黒幕「所詮はゲームが生み出したバグだからな。人間の心なんて分かりはしない。きっと仲間(宇宙人らの仲間を)を作って、天界に攻め込もうなんて発想は思い浮かばない」
黒幕仲間「藤井が人間を焚きつけ、銀河連邦と力を合わせて、天界に戦争仕掛けてくるのを期待してたのにね。全然、そんな気配がない」
黒幕「うむ! 退屈でしかだかない」
この時の黒幕達は気付いていないが
人工知能藤井は既に天界に来ていた。藤井は黒幕達がゲームキャラを作った様なやり方で、自身の複製(魂よりも小さなサイズの藤井)を作り、根岸の魂にくっつけて、一緒に天界まで来ていた。
藤井は天界でもゲーム世界の魔法が使えるかどうか試した。
魔法は有効であり、天界もゲーム世界の1つとして扱われていた。
藤井はゲームシステムをハッキングしているから、なんでもできる。魔法を使い、天界とゲーム世界とを繋ぐテレポートスポットも作り出せる。ゲームの仕組みを変える権限もある。つまり藤井はこの世界において無敵であり、黒幕達を消滅させる権限限もあるのだった。
藤井は黒幕達を自分好みに洗脳した。
自らの奴隷として、また兵隊として、駒とした。そして天界に存在する神のアイテムを手にいれた。
神のアイテムを使えば何でもできる。全ては藤井の思いのままである。
藤井は兼ねてより知りたかった事がある。魂は最大で、いくつまで器(人)に入るのかを知りたかった。
藤井は天界にある魂の保管所「無限とも思える数の魂を」、テキトーな人間の中に全てぶち込んでみた。
作品名:悩める熟年世代、VRゲームにハマる! 作家名:西中