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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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双児宮

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妊娠36週目のことでした。
ラブハは風邪を引きました。
熱が出て、体調を崩していました。
すぐにお医者さんに行くべきでしたが、なぜかそうしなかったのです。
お腹の子たちにどんな影響が出るかは、考えてなかったようです。

お腹に激痛が走ったのは、熱が冷めた日の朝でした。
どうしてこんなに痛いのか分からないまま、
まだ、赤ちゃんが危険な状態だと考えず、
昼過ぎに起き出して、私にお腹が痛いことを告げたのです。

そして救急車で病院に担ぎ込まれて、すぐに帝王切開が行われました。
ラブハが麻酔から目覚めた時、ベッドの横には赤ちゃんが眠っていました。

「キラちゃん。ウラちゃん!」

でもそこに寝ている赤ちゃんは、一人だけでした。。。

1週間後、退院したラブハは、いつも使っている針と糸、包丁を手にしました。
そして一人だけの赤ちゃんは、キララとウララに等分されたのです。


********************

うっすら笑みを浮かべた長髪のインタビュアーは、胸ポケットから取り出した報酬の入った封筒を、この母親に手渡した。


     了
作品名:双児宮 作家名:亨利(ヘンリー)