ヤマト航海日誌3
「当然です。イザという時が来るまで傷ひとつ付けることはまかりならん」
なんてふたりで言って笑う。主人公は愕然としてそれを眺めて茫然とし、慄然として蒼然とする。そしてエンドクレジット……。
というのがおれが直す『アルキメの亀』だが、ああ、やっぱりこれだけで、こんなに長くなってしまった。『粧説』についてもう書く気もしねえ。
って言うか、始めた『粧説帝国銀行事件』が、こんな感じで若き天才的刑事が戦後の日本で事件の謎を追いかける。だがどうしようもねえおっさんどもが……というのを考えていたところに『アルキメ』を見たわけなのさ。だから反面教師と言うか、おれにとっていろいろと参考になるとこがあるわけだ。
『粧説』をこんなふうに書いてはいかん、よいな、決して書いてはいかんゾと、神が教えてくださっている。そんなような気がするなあという話だったわけなのさ。てわけで、その戒めとしてこの『アルキメ』をハードディスクに保存しておくことにします。山崎さん、おれにとってはいい映画をちょうどいいときにどうもありがとう。