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百代目閻魔は女装する美少女?【第七章】

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 美緒はソファーにいる絵里華本体を指す。睡眠状態と言いながら、ベッドに横たわっているのではなく、椅子にきちんと座っているが、目は閉じたままである。しかし、なぜか絵里華は立ち上がった。
「こうして手を引くと立つことができるし、歩くこともできるのよね。不思議だわ。」
 由梨が操り人形のように、絵里華を自由気儘に動かして見せる。
「絵里華たんはどうしてこうなったんだろう?」
『問題はそこだ。原因を分析しないと対応策は検討できないからな。この神といえども、論理的な思考を行うにはあまりにも要素が少な過ぎる。ただ、この前、黒白執事が言っていたジバクのことを絵里華は気にしていたように思える。』
 美緒は李茶土のことを黒白執事と呼んでいる。理由は黒い執事服に、白い手袋を嵌めている。それだけ。安直なところが、美緒における李茶土の存在価値を示すものだ。もっとも、自分を神と呼んでいる以上、他の者はその程度の格付けとなっているのかもしれないが。
「そうだわ。アキバで起こった事件だから、絵里華は動くなと言われても自然に行動してしまったような気がするわね。ひとりでアキバに行って、話題のジバクと出会って、何かが起こった。こう推測されるわ。」
「由梨たんの言う通りだと思う。嘘をついた人間が意識を失ってるというのが、これまでいくつも発生してるよね。それと同じだとすると、絵里華たんも何らかの嘘をついて、こなったと考えるべきかな。」
『オレもそう』
『お前はいい。ではさっそくアクションを起こすことにしよう。虎穴に入らずんば、虎児を得ずだ。』
 美緒はオレの発言を遮って、全員に号令した。