短編集 くらしの中で
その二
そのご近所さんは満足に仕事ができなくなったからと、ヘルパーさんに週一で来てもらうことになった。ヘルパーさんには何をしてもらうの、と聞くと風呂掃除とかを半分、あとはおしゃべりの相手をしてもらうとか。
他人にしてもらうほど風呂場の掃除は大変なの、と聞くと、風呂釜の中だけでなく洗い場も毎回していたのだそうだ。その家は風呂場が広いのでさぞ大変だろうなと納得はするが、私なら毎回そんなに風呂場磨きはしないだろうな。
こんな私の性格だから、庭や畑や塀の溝に草が生えていても頓着しないから、できなくても病気とは認識しない。我家ほど広い敷地で、どこもかも整然ととか、独り暮らしで毎食もりもり食欲があるとか、というのは所詮無理な話。
パソコンに書いているものでも、大変でしょうと言われるほどきちんとした内容ではないので、ただ思うままに手を動かして書いているからこそできるというものだ。
他と比べることもないし楽しんでやればそれで良い。詩のブログなぞふと思いついた時ささっと書いて、少し手直ししてアップロートするのだからちっとも大変じゃない。
それで良いのだ。
何でも完璧を望んでいたら多くの事を手掛けられなくなる。
やらねばならぬという気持ちであれば、しんどくなる。
働きたいときだけ働き、総菜を作って持って行ってあげようと思うときは活気が出て白いエプロンがけでせっせと作る。
なんでも気の赴くままにやれば良い。
俳句は句会二つの提出期限があるから少し嫌になってる。それみろ!だ。
完
作品名:短編集 くらしの中で 作家名:笹峰霧子