短編集 くらしの中で
友達は淘汰するもの その一
人生は開拓するもの
友達は淘汰するもの
どちらも共通していることだが、とにかく現状を受け入れるだけではより良い環境は作れない。
そういう自分を振り返ってみると真逆の道を歩いて来たように思う。
世の中を渡る知恵が足りなかったのだろうか。
意欲はあって色々挑戦しては来たが心地が良いという感じはなかった。
嫌な思いをしたり馬鹿にされたり、劣等感を持ったり・・
つまり自分が快適に居る環境ではなかったということだ。
一人子として生育し、親の躾や教育もなかったし、それ以上に自分で考えることをしてはいけないような抑圧された家庭の中で育ったというのが正しいだろう。
20代後半まで自立を阻むような方向付けをされたということだ。
どんな親がそのような子育てをするのかといえば、親自身が子供だということ。
子供というものは自分本位に物事を運びたがる。だから精神が子供状態の親が子供を産んで育てると子供が子供を育てることになる。
家庭の中にその状態を指導する者がいないと、育てられる子供はまるで独裁者の元で成育しているようなものだ。
人間として最も不幸な成育形態である。
作品名:短編集 くらしの中で 作家名:笹峰霧子