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引き篭りニートの親、VRゲームにハマる

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警官は手錠を取り出して、寺井を拘束した。

上役警官
「ごめんね、どっちにしろ、死んだね。いまさら手錠かけても、意味無いわ。あはははは!」
笑顔で寺井を足で踏む上役
野次馬たちから、「やり過ぎだろー!」と、上役に対して罵声が浴びせられる。
上役は弁明するように
「この人は指名手配犯で、とても危険な人物なんです。ですが、みなさん、今逮捕していますの安心して……」
寺井は上役の足を掴み、尻餅をつかせた。
昨日、マサシ対策の為に 防弾チョッキを着ていたので助かった寺井

上役が怯んだ隙に上役のピストルを奪い、上役の頭に突きつけた

野次馬が静まり返って

寺井はピストルを上役に突きつけたまま言った
「皆さん聞いて下さい!」

「オレは無実なんです!
「ロイヤルピザ屋の相模原店 確認をして欲しい。 その時間に、俺にアリバイがある!俺はまだその時間、山荘にいて、抗争の現場から離れてるんだ。だから…


野次馬はスマホで寺井の意見を動画撮影している
ネットの動画サイトにアップしている

「オレは国にハメられたんだ。人口削減政策という陰謀に巻き込まれたんた。」
寺井はそういうと、
「手錠の鍵を出せ! さもなくば!」
上役の警官は鍵を持っていない。もう一人の警官が持っている。

警官
「落ち着いてください! 鍵はここにあります。」
鍵を寺井に見せるが渡さない

警官
「無実なら、裁判で証明しましょう。貴方の意見は皆さんが証人になりますから。今からロイヤルピザにアリバイの確認電話をかけます、もし、貴方の言うようにアリバイを証言してくれる人がいるなら、裁判で戦いましょうよ。逃げたら駄目です。もっと信用しましょう?」


寺井は嫌な予感がした。もしピザ屋が口封じされていたら、鍵も手に入らない。
捕まればそのまま処刑されてしまう

案の定ピザ屋は電話に出ない。口封じされてるのかもしれない。

『ダメだ! まず鍵を渡して貰おう。でなければコイツが死ぬ事になるぞ!』

警官は躊躇するものの、鍵を渡した。
警官を殺して鍵を奪う事もできるだろうが、それをしない事に、小さな望みを賭けた。


寺井は上役警官を人質にし、野次馬の中に消えていった。野次馬の中から「嘘つき!」という声が聞こえてくる。背中にゴミを投げられる。
「結局お前がヤクザで人に迷惑をかけてるのは事実なんだよ」という声が聞こえて来たとき


車が一台、野次馬の中に飛び込んできた。


ワゴン車のドアが開き
「乗れ!」

原の兄貴が助けに来てくれた。

寺井を乗せて野次馬の中を駆け抜けてく


でもなぜ? 電話では、助ける気ないみたいなことを……

「お前なあ、公衆電話が盗聴されてるの忘れたのか? あんなんで要件伝えられたら断わるしかないだろうが」

原は、警察の目を欺く為にわざと、寺井に素っ気ない態度をとった。寺井は兄貴に見捨てられてなかった。



〜車内〜





「ところで昨日はどうやって一晩過ごしたんた?」

「ホームレスの人達に紛れ込んで面倒看てもらいました。」

「そうか、じゃあ、この戦争終わったらしっかりお礼しとくんだそ。なんなら俺の舞台チケットを贈呈してもいい



「あの、」

「なんだ?」

「手を煩わさて、すみません」

「おいおい、俺達は兄弟盃を交わした筈だぞ? 忘れたのか? 俺もお前に組を任せてんだから、」

「あの、ヤクザな件が家族にバレて困らないかなと」

「それな、まあ、仕方ないだろ」

「もしかして、離婚とか」

「熟年夫婦だから、そこまでは、ないけど、ここに来る前に死んだと思ってくれ、とは言ってきた」

「……」

「ところでこれからどうすんだ? 日本の中だと、生きれないぞ? 外に逃げるか?」

「正直それしか方法がないと思いました。行くならどこがいいと思います?」





〜5時間後


「じゃあな、しばらくお別れだな」


「永遠に帰れない、かもしれませんが」


「……」

寺井はコンテナに入った。
寺井は大型船の積み荷として扱われ二週間海上で生活する。コンテナの中は六畳程の広さがあり、トイレなどは使い捨ての簡易トイレと消臭剤がある。

原の兄貴は発電機をコンテナにいれてくれたので、懐中電灯は必要ない。漫画とDVDで二週間の航海を耐え忍ぶ

うんこの匂いと共に、お菓子や乾パン等の保存食が食事のメインになるのが、この旅で1番キツイポイントである。
















寺井は日本では指名手配され、生活はままならなくなった。カネが底をつく前に国外に出ることにした。
平井組は以前、麻薬密売容疑をかけられて警察に追れる身となった元キャバ嬢を国外に逃亡させた。元キャバ嬢は新しい戸籍を与えられて、南米チリにある東の国アルゼンチンに隠された。海からは離れているから、物流コストはかかるし、国土の殆どは標高が高く険しい山々に囲まれていて、遊ぶところは無いし、住むには快適とは言えない場所である。
しかしアルゼンチンの政府は良所もあって、国土柄経済力がなくカネに困っているから買収しやすい。新たな戸籍を作るには、うってつけの場所であり、また険しい山々が来る者を拒むから、逃亡者が潜伏するのに最適である。寺井も逃亡先にアルゼンチンを選んだのだが、現地住民との英会話に四苦八苦していた。

「英語の通訳くらい雇えば良かった」
指名手配され、急いで逃亡してきたので、まとまったカネがなかった寺井。寺井は今、元キャバ嬢の住所に行こうとしているのだが、バスの時刻表の見方がわからない。とても困っている。
身振り手振りと、住所のメモを見せての人頼み神頼みで、どうにか、たどり着くことができた。

寺井がキャバ嬢を頼ったのは、恋愛的に好きだからとか嫌いだからとかでなく、麻薬の稼ぎで、それなりの蓄えがあることを知っていたからで
VR友達だからである。

キャバ嬢の家についた寺井
ノックをするが返事がない。
玄関の鍵は閉まってるが、家の中から気配がする。家の周囲をぐるりと周り、空いている窓を見つけた。

「ごめんくださ〜い」

家の中を覗いて見た寺井

キャバ嬢が裸で、股間に手を掛けウンウン唸ってた。
必死なので
寺井の存在に気付いていない。
そるおそる
そろりそろり
玄関まで戻った寺井

今度は大声で叫んだ。
「ごめんくださーい」


「あ、はいーい、ちょっと待ってくださーい」
服を着るので時間が掛かっているキャバ嬢、ついでに護身用に斧も持ってきた。

玄関先
「どちら様ですか? って、寺井さん? どうしてこんなところに……」



寺井は事情を話した

キャバ嬢は、まあ、身から出たサビだから。仕方が無いよ
という顔をして、
「住むなら仕事を探してください」と言ってきた

「その前に一回VRをさせて欲しい」

寺井は確認したいことがあった。今日本で寺井がどういう扱われ方をして、どういうニュースが広まっているのかを


Wikipediaに寺井の情報が掲載されていた

寺井は