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引き篭りニートの親、VRゲームにハマる

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そもそもアリバイを証明したとしても、殺されると思う。人口削減政策をしてるなら、ヤクザは真っ先に処分したいだろうから。

寺井は、マサシを思い出した。真っ先に処分されるべきマサシは誰よりも早く逃亡した事になる。カネも沢山蓄えてるだろう。今頃、海外にでも高飛びしているかもしれない。寺井はマサシを羨んだ。


寺井は今、生きるか死ぬか瀬戸際にいる。所持金は限りがあり、銀行で引き出したいが寺井の口座は当局のチカラで凍結されていて引き出せない。

自宅に行けば纏まったカネが有るだろうが……張り込まれてるだろうし

組が縄張りにしてる風俗店かパチンコ屋は、もしかしたら匿って貰えるかもしれないが……

どれも逃亡先としては弱い。カネを幾らか、せびるか奪う事は出来るかもしれないが、カネが尽きたら同じことを繰り返さないと、生活はやっていけないだろう


寺井は公園で水を飲み腹を満たした

そこにホームレスがいて

周囲はホームレスのたまり場になってる



「おや? 新人さんかい? ここは縄張り争いとかないから、安心していいよ」



気の良さそうなホームレスに話しかけられる
ホームレスは大きな袋に空き缶を沢山入れて持ってる 。

寺井もこの先こういう生活をしないといけないのか?

よく見るとホームレスは自転車にまたがり、両手に缶袋を持ってる
とりあえず、この人の近くにいよう、いざとなったら、自転車奪って逃走すればいいし

ホームレスはリサイクル業者にて空き缶を換金し、2250円を受け取った。それが今日の稼ぎだそう。
ホームレスは満面の笑顔だ。

寺井はカシラとして1日20万を貰っているが。それでも足りないととさえ、思っていた。(寺井の場合は麻薬買ったりゲーム内課金で殆ど使うので足りなくなるのだが)


寺井は2000円ぽっちじゃ、やっていけない。そんな不満顔をしていた。

ホームレス
「そんなに不安な顔しなくても大丈夫だからね。仲間がいてくれるから」

寺井の不満顔と不安顔の違いが判別できないホームレスは、これまでのホームレス人生を語り出した。何故、自分はホームレスまで身を落としてしまったのか、絶望の中でどうやって、折り合いを付けながら心が笑顔になれるのか、負け犬を正当化する理論を熱く寺井に語った。

ホームレス
「……で、あの日は寒くて凍える様で、でもお金は全くなくて、寒さで死ぬかと思って歯をカチカチして震えてたら、歯が抜けちゃってさ、泣きそうになったよ。でも抜けた歯をよく見てると金歯だったの。あの時はほんと、命拾いしたよ、速攻で質屋で売って漫画喫茶入ってさ、そしたら漫画のバガボンドが死ぬほど面白くてさ、宮本武蔵の生き様が俺と似てるような、気が……」



寺井
(そうだ、原の兄貴なら、俺の性格を知ってるから無実だと判るはず。助けてくれるかもしれない、漫才師目指してカタギになりきってるし警察のマークもないかもしれない)

寺井は公衆電話から兄貴に連絡をとった
兄貴は今は、吉本興業主催の漫才トーナメントに参加している最中であり、今日は迎えにくるのは無理らしい。


寺井は先程のホームレスに無視したこと謝罪して、仲間に入れてくれるよう頼んだ。寝床用のダンボールをくれ、その日をやり過ごした


一夜明け

公衆電話が鳴る。
原の兄貴はネタが滑ったらしくて、とてもイライラしていた。自分の事は自分で何とかしろ、という返事が帰ってきた。

原の兄貴は寺井を匿うつもりはないらしい。寺井が近くにいる事で万が一家族に、自分がしたきた悪(ヤクザ)の業がバレたら困るから、と拒んだ



・寺井が原の兄貴を期待して得られたもの

見放された心の痛み

・寺井が原の兄貴を期待して失ったもの
原の兄貴への愛 そして時間。、


寺井は公衆電話から出ると電話ボックスに向かって唾を吐いた。電話の先に兄貴がいると思うと、腹が立つので吐いた

「何しとんじゃわれ!」

如何にもなヤクザに絡まれた。ボックスの向こう側にいらっしゃったのだ。吐いた唾が少しかかったのかもしれない。あるいはヤクザを向いて舌打ちしたように見えたからかもしれない。如何もなヤクザは怒ってる。寺井の胸ぐらを掴んだ

このヤクザは一日中麻薬でラリってたのかもしれない。ヤクザ撲滅法のニュースを見てないみたい。


(たのむから、野次馬を集めないで欲しい)

ヤクザかを因縁つけてきて、野次馬が集まる。悪目立ちしてる。
戦場になる前に逃げないと

寺井はヤクザを無視してダッシュした、マリオなBダッシュで駆け抜ける


「まてや、こら!、逃げんな!」

ヤクザは追いかけてくる

耳を引っ張られヤクザに捕まった

耳から引きずられる寺井。このままでは顔をもろに、野次馬に見られてしまう。指名手配犯だとばれてしまう




「お金を払うんで許してください」

寺井は、なけなしの全財産を渡すことで、この危機から離脱しようとした。


しかし、とき既に遅くて、二人は私服警官にピストルを向けられていた

寺井は顔を見られないように伏せた。

「なんじゃワレ?ピストル持ちよってにやり過ぎと、ちゃうんかのう?」

私服警官の手は震えていた。
「そ、の、人を離し、しなさい。私が10秒数える間に離さないなら、撃ちます」


声にも態度にも迫力がない。人を撃った経験が、一度もない警察官だった。

ヤクザは少しも怯まない。寺井を盾にして、警官から逃げるつもりだ。


「撃ちなさい!」
もう一人の警官が現れた。その警官はピストルを警官に向けていて、
「殺らねば私が貴方を撃ちます!」


〜ヤクザ撲滅法は条文〜


【公人は明らかなヤクザを見かけたら、10秒以内に投降させるか、または拘束しないといけない。10秒を越えたら射殺しなければならず、もし射殺しない場合、現場の上役がその射殺できない公人を即時死刑を執行する。もし現場の上役が即時刑を放棄したら、その上役が確定する。】


警察官は、震える手で撃った。ヤクザをかすめる
もう一度撃った。
寺井をかすめる

もう一度撃った。
ヤクザの肩に当たった。しかしまだ生きてる

上役に「撃て! 」と命令されている。

警察官は余計に震えている

怖くなったヤクザは寺井の髪の毛を掴み、顔を警官に向けた

「おまえら、人質どうなってもええんか!?」


警察官は寺井の顔を見て指名手配されてる寺井だと知り、恐怖して、発砲しまくる。

寺井は咄嗟にヤクザを盾にして凌いだ。弾がきれたようで、その隙に寺井は逃げようとした。

「待ちなさい!」
警官の上役が寺井にピストルを向けた。「10秒以内に投降するチャンスをあげるわ」

この上役の警官はヤクザな人種に強い恨みを持っていて、殺しに躊躇がない。、一歩でも寺井が逃げる素振りを見せたら、撃つ気だ

「まってくれ! 俺は無実なんだ。全部陰謀で、罪を押し付けられたんだ!」

「どうせ嘘よ!、さあ死になさい!」

「ロイヤルピザ屋の相模原店 に聞いてくれ! その時間に、俺にアリバイがある!俺はまだその時間、山荘にいて、抗争の現場から離れてるんだ。だから……」


寺井は腹を撃たれて吹っ飛んだ

地面に倒れ込み蹲り動けない