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引き篭りニートの親、VRゲームにハマる

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配達員は定時連絡をしなきといけない。応答がなきやら、警察に掴まったことになるから、この事務所を畳んで直ぐにバックれないといけない。

「おい! ヤクの配達いったやつまだ帰っこんのんか!?」
マサシ君はイライラし連絡係にやつ当たっていた。

「なにやら、知り合いと立ち話しているみたいです。配達は終わっているみたいですから……」

マサシくんの頭突きが係り炸裂する

「ばかか! ……みたい、な感想求めちゃいないんだよ! 俺は早く帰って来い!っていってるんだよ」

ヤサシ君は原兄貴以上に上下関係に厳しい人で、目上に対してはしっかりしてるけど、下に対しては虐待的なところがある。

そんなわけで、配達員の立ち話にたいして、ヤキを入れないといけない。
ちなみにヤキを入れるのは電話係の役目
一番安全なところにいる人(事務所で待機してる人)が、一番危険なとこにいる人(配達員で捕まる可能性が高い人)を説教すると、恨みを買いかねないから、下っ端を暴力で支配するのは、少し上の地位の人にやらせる。

マサシ君が殴るのは、あくまでも配達員を殴ることを躊躇ってる電話係の方で……

事務所が血まみれになって掃除するのは、もちろん血まみれにされた人である。


それにしてもやかましい事務所だ。ここにいたら、仕事のことしか考えられなくなる。

家に帰ってコタツでVRしよう







『おい!マサシ!後のことは頼んだぞ!』

そう言って事務所を出てきたけど、自分だけ遊ぶのは、流石に罪悪感ある。一応、遊びついでに
ヤクの販路ぐらい拡大しとかんとな

「寺井さん」

帰り道で 女の子に声をかけられた。はて? 見覚えがない子供だぞ?
「あたしね、しってるんだよ? おじさんがVRでなにやってるか!」



……
ウソ?
なんかの冗談じゃないのか?

事務所に確認をとってみるが、警察のガサ入れはない。

「お嬢ちゃん、もしかして原さんとこの子?」
原の兄貴には子供がいるという話を聞いたことがある。ヤクザが所帯を持ったら家族に危険があるからと、原の兄貴は一部の幹部にしか話してない。話したと言っても酒の席でうっかり、という程度のことで……
だから原の兄貴自身、ヤクザの話を家族にするとも思えない



「お嬢ちゃん、もしかして原さんとこの子?」

「だれそれ? はらってなーに?」

とりえず人目につくとやばい気がする。
もし本当にこの子がシノギについて知ってるのなら、

「お嬢ちゃん、良かったら、知ってること教えてくれないかな?」

「どうしよかな~」

「おじさんち、すぐそこ、だから、お菓子食べながら、お話しようよ」

「ヤった! お菓子だ、わーい!」


~自宅にて~

自宅に幼女を招き入れ、玄関の鍵をかけて、コタツに座らせた。
お菓子は会合で貰った饅頭くらいしかない。お茶を入れる為に湯を沸かす

「で? どんな話をきいたのかな?」

お湯が沸くまで待てない。一応原の兄貴に電話をかけてみた。原の兄貴が偽名で家族を作ってるかもしれないし

「で? お嬢ちゃんはVRの何を知ってるのかな?」

「お嬢ちゃんではないです。ウチはもう小学6年生です」

どうみても園児にしか見えない

「そうだね。おじさん失礼だったね。じゃあ、何て呼べばいいのかな? おじさんは、おじさんで良いとしても、君には名前があるんだよね?」


「名前は……」

ヤカンの音ピーピーやかましい。邪魔!

「ごめんね、もう一回名前いいかい?」

「えー」

「そんなこと言わないでさ、お菓子はあるからさ」

「わーい!」

これ本当に小学生なのか?思考回路がバカ殿並だろ


「お菓子は饅頭しかないのだけど」

「わーいー!饅頭すきすき」

饅頭が好きとか、珍しい子供だな。

「でさ、君のおなまえは?」

小学生は何かを考えている。、名前を言うと都合でも悪いことがあるのか?

「メナード!」

ん?

「私の名前はメナード!」

何ほざいてんだ、コイツ

もしかして最初から教えるつもり無いのか? 名前もVRのことも
何も知らないというなら、それでいいんだ。でも俺を指してVR発言したのだから、何かを知っている筈なんだ。俺はもうVRやる友達なんて、いないのだから。VRのことで俺を知ってるのは……

電話が鳴った。
「もしもし、原だ。なにかあったか?」

「原さん、今うちに小学生の子供が訪ねてきてて、」

「小学生のこども?」

「はい、原さん前に子供いるって言ってたじゃないですか。」

「ああ、いるぜ、高校生の息子と大学生の娘が」

「……」


寺井は頭が真っ白になった。
電話で今の自分が何を話してるのかわからない


じゃあ、あの子供は何なんだ?

なんでオレの事を知っていて

しかも家の近くにいた……



!?


オレの家を知っていた?

オレの家を知っていて、VRをオレがやってると知っている人は……


電話が鳴る
「ぜえ、ぜえ、はあ、はあ、はあはあ」

何の電話だ?!


「おい!、ウチの子見んかったか!寺井!」

ん?
会長のこえ?

「そっちにウチの子邪魔しとらんか? アイツほんまに勝手に出歩くなって言ってんのに!!」

会長に娘がいたとか全然聞いたことがないのですが。

「寺井、ちょっとナギに電話代わってくれ」



名前がメナードではないとか、そんな事は、この際どうでもいいです。
要するに会長の孫がVRやってるけど、VRやる友達がいなくて友達欲しいって会長に言ったら、今度ウチ組から寺井という奴を連れてきてやるから、と諭されるも全然連れてきて来てくれないから、組員名簿から住所を調べて訪ねてきたよ。でも、ここの住所が本当に正しいか確信なくて、もしかしたら、怪しいおじさんに連れて行かれてるだけかもしれないから、名前とか個人情報を言いたく無かったんだと。園児だけど子供に思われて舐められたくないから、小学生だと嘘をつき、饅頭が好きなのは、おじいちゃんも饅頭が好きだからで



で、そこからどうして、オレがこの子のお守りをするハメになるだよ。
オレは覚醒剤をVR使って売らなきゃいけないのに。そしてこの子は何故コタツでまったりVRをやってるんだ? それはオレの役目だった筈なのに。

「ぶいあーる、おじさんも一緒にやろうよ」











小便くさいガキとゲームをすることになった寺井。最初は嫌がっていたものの、VR友達ができたことに関しては、ちょっと嬉しかったりする。
だけど、お守りをしながらヤクの売人やるのは難しくて、

「すまんマサシ、事務所の皆でこの子の面倒を観れるかな」


園児を麻薬売買の中枢につれてきた寺井。麻薬が置いてあるとはいえ、見た目は小麦粉だし、VRが置いてある部屋はとなりなフロアだし、その部屋だけ使って麻薬な部屋は入口に鍵をかければ大丈夫かなと。