神ってる(Aino SPINOFF)
其の⑧ 信楽焼タヌキ
庭の隅に、信楽焼のタヌキが置いてあった。
普通、信楽焼って言えば、タヌキの置物だって、誰でも知ってると思うのに・・・
「あんなツツジのかげに、タヌキの焼き物が置いてあったのか」
「え? タヌキ? どこ? 誰がそんなの置いたの? もうヤダ!」
「お祖父さんの趣味だろうな」
「そんな前から在るわけないじゃない」
「いやそれくらい前だから、ツツジで隠れたんだろ」
「パパ片付けてよ」
「じゃ、移動させようか」
「捨ててってば!」
「なんで捨てるの?」
「なんで捨てないの!?」
タヌキの焼き物を、タヌキの“丸焼き”が落ちていると勘違いしたようだ。
作品名:神ってる(Aino SPINOFF) 作家名:亨利(ヘンリー)