神ってる(Aino SPINOFF)
其の⑦ ツバキ嫌い
愛音の家の庭に椿の木が植えてある。
お祖父さんが建てた家なので、そんな趣味なのだろうが、愛音は椿の木が嫌いらしい。
「なんで椿が嫌いなの?」
「花がいっぱい落ちるでしょ。その後、実がなるでしょ」
「・・・それのどこが嫌なの?」
「庭中椿(ツバキ)だらけって友達に言ったら、唾(つばき)のことだと思われて」
「そんなの訂正すればいいじゃない」
「ツバキの塊(実)も落ちてるって言ったら、さらに嫌な顔されて」
「カタマリとか言うからだよ。その言葉のチョイスに問題があるんじゃないか」
作品名:神ってる(Aino SPINOFF) 作家名:亨利(ヘンリー)