ジェノサイド・ワールド
―毒、だ。
店主の方を向くと、店主はコップではなくどこからか取り出したショットガンを握りしめていて、その銃口は一直線にシロガネへと向けられていた。
「くたばれ!! シロガネ!!!!」
私は急いで床に伏せる。ショットガンは銃口の周りに紫色の魔法陣を展開し、激しい音を立て発砲された。あのショットガン、ただのショットガンではない。魔法陣展開して、かつ激しい銃声。少なくとも魔術品のクラスB以上。バアン、なんて擬音じゃすまないほどの破裂音が鳴り響き、背中側で激しい光が起こった。
ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!
目を強く閉じ、両耳を塞いだが防げなかった。耳がキーーン、と鳴り響き、暗闇の視界の中、当たってもいないのに意識が朦朧とし、ただただ真っ暗で無音の空間に放り込まれたかのような浮遊感を私は感じていた。
作品名:ジェノサイド・ワールド 作家名:綺斎学