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日記『after 幾星霜』…最近気付きました!

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 月謝に楽譜、ならびにCD等。その上に夕食1品減らさなければならないほどの贅沢ギター。そして6年間という途方もない時間。
 これほどまでに犠牲を払ってやっとジャカジャカと不正確ながらも弾ける曲、それらはソレア、ブレリアス、ティエントスなどのたった6曲。
 とどのつまり、これらが弾けなくなることは、ドブに金と時間を投げ捨てるようなものなのですね。

 だから、だから、……、これが地獄の始まりだったのです。
 まるで泳ぎ続けなければならないマグロのように、毎日弾き続けなければならなくなったのです。
 その上にレパートリーが増えたといっても、例えばソレアのたった1節を6年間練習してますが未だうまく弾けません。
 このようにして1日に弾かなければならない量はどんどんと膨れ上がりました。

 だけれどもですね、本当にまれなことですが、ちょっとした奏法がうまくいく時があります。
 それはまるで拾ってきた石っころを毎日毎日磨いていたら、突然キラリと光る砂が現れた、てな感じでしょうか。

 このような経過を経て、学生時代からの『after 幾星霜』、やっと気付いたのです。
 労多くしてもまことに小粒な喜びしかない。それでも六弦を奏でることが止められない。
 小生にはそんな地獄を彷徨うマゾ気質、いや病気があったのだと。
 さてさて読者のみな様は如何でしょうか?