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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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「誰か思い当たる人物はいませんか?」
「さあ、でも一昨日、変な人に声をかけられて・・・でもそんなことで警察に相談するのも変だと思うし」
「どこで? ・・・普通それぐらいで警察は動きませんが、部屋に侵入されている可能性がある場合は別です」
東出は落ち着いた声で話すと、
「バスでなんですけど・・・仕事の帰りに、局の近くのバス停で、30歳くらいの男の人が話しかけて来て、『暑いね』とか言って」
「よく見る人?」
「はい。前に付けられてるかも知れないって、言ってた相手です。たまに郵便局の窓口にも来る人です」
「どんな話をしたんですか?」
「私は相槌くらいしか、反応してないのに。何だったかな? 色々勝手に話し続けられて、自己紹介までされて、名前は中居さん。そうだ、“ヨルドラ”の話題になったんです」
「何? “ヨルドラ”って」
「“ミッドナイトドライブ”って、人気アーティストですよ。最近よく流れてますよね。『電光花火』」
南が口を挿むと、
「はい。その曲好きなんです」
しかし東出は眉を寄せて、
「知らないな。最近の曲か。で、その話になったきっかけは?」
「突然、“ヨルドラ”好き? って聞かれて・・・」
結局、奈美が降りるバス停まで付いて来られて、自転車に乗ったところで別れたのだと言う。

 この日は、東出警部補がアパート周辺のパトロール強化を約束をして、奈美は帰宅した。その際、南が奈美に、「アパート向いの事務所の、監視カメラの映像を入手してみる」と告げたのを聞いて、奈美は納得して帰宅したが、後で東出は、「あれは北木のアドバイスだろ」と、お見通しのようだった。
「でも明確な被害があったわけじゃないし、捜査に人員は割けないぞ」
「僕が監視映像をもらって来ます」
南は奈美の相談に乗ってやれて、少し嬉しく思っていた。別件の捜査から戻った北木刑事に、このことを話すと、
「そうか。ほな頑張りや」
と、あまり興味がない様子だった。
「ええ、少し心配ですし。先輩は井上さんをどう思いますか?]
「どうって、何やねん? 個人的な感情で動いたらあかんで」
「分かってますよ。まだ彼女の自作自演ってことも、あるかも知れませんしね」
「でも、この前はウソは言うてなかったで。新しい箸買うとったし、ホンマに無くなったと思とったんやろ。知らんけど」