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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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涼子の探し物(6)

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私は怖いくらいだった。それから、不謹慎なのに、とても嬉しかった。


見つかった!この人だ!でもどうしよう!どうやって伝えればいいの!?



「お母さん…その子の名前…」

そう言い掛けて、私は口を閉じた。




…そうよ。




私が良一君の事を知るはずがないんだから、お母さんはびっくりしてしまうし、それに、「なぜ知ってるの」と言われて事情を説明しても、しなくても。それで?それで私はどうするんだろう?




私は、生きている良一君を、良一君のお母さんの元へ返してあげる事が出来るわけじゃない。それなら、私は何をすればいいの…?





私が途方に暮れ、黙り込んでいると、家の玄関がガラガラと開く音がした。







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作品名:涼子の探し物(6) 作家名:桐生甘太郎